【MHRise】男性妊娠ネタ自身の大きく膨らんだ腹を撫で、ウツシは険しい顔をしていた。
以前より落ちてしまった筋肉。武器を握らなくなって久しい両手。
「不安、ですかな?」
寄り添い腰を抱いていたカゲロウの胸に頭を預け、ウツシは小さく頷いた。
「産んでも...いいんでしょうか」
男の出産に関して、前例がないわけではない。けれどもそれも随分と前の事で、詳しい事は分からなかった。
「某は、この子が生まれてきてくれる事を望んでおります。ウツシは違いますか?」
「俺だって!.....俺だって、カゲロウさんの子を産みたい.....けどっ、無事に産まれてくる保証なんて、どこにもないっ」
ほとほとと涙を流すウツシをそっと抱き締めカゲロウは涙を拭ってやる。
「大丈夫。某とウツシとの子ですよ?きっと元気な子が産まれてきます」
「カゲロウさん...」
カゲロウも、不安が無いわけではない。お医者のゼンチに、下手をすれば死産もあり得る母体であるウツシも無事ではすまないだろうと言われていた。
「何か食べたいものはありませんかな?」
食欲がなくとも、少しでも食べられそうな物は食べたほうがいいと言われている。
「いえ...何も.......ただ」
「ただ?」
「ずっと、側にいてください.....ずっと...」
いじらしい願いに、カゲロウは抱きしめる腕に力を込めた。
「勿論ですもと.......ずっとお側におりましょう」
数週間後、ウツシは無事元気な男児を出産した。