白いリボンかもしれない。点と点が線になるように。
思い返せば、点になり得る出来事はずっと前からあったはずだ。今湧き上がったこの感情の原点が何処にあるかは正直分からないが、きっと佐倉と出会った頃とかだと思う。
ーーーーーーーーーー
「プリントを!!!回して欲しいです!!!」
クラスメイトについての参考実験中。
キラキラした笑顔で佐倉に出された要望、恋と何も関係無さそうな行為だった。
変な事を言うな…と思いつつ、別に佐倉の頼みを断る理由もないので普段通りにプリントを回してみる。
なんてことはない、ただ後ろへ回すだけ。
いつもと同じ様に振り返ってプリントを渡す。
だが「後ろへ回して」の一言を添えた所で手が止まってしまった。手だけじゃない。呼吸も、時間も、全てが止まってしまったようだった。満面の笑みでプリントを受け取る佐倉に、俺は今何を感じたのだろうか。
944