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    みっちぃ

    @mittiy274ym

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    みっちぃ

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    両片思いの千ゲン。
    携帯作りあたり

    #千ゲン
    1000Gens
    #dcst腐向け
    dcstForRot

    I Knew I Loved You/ I want youI Knew I Loved You

    はしゃぐ声。
    メンタリスト様は今日も素材集めやらマジックの仕込みやらチビ共の遊び相手とお忙しい。
    「千空ちゃん匿ってよ~」
    息を切らしヘロヘロになったメンタリスト様か研究室ラボに逃げ込んできた。
    「子ども達ドイヒ~よぉ、素材集め終わったばかりですぐ怪獣ごっこだもん…」
    「おー、匿ってやっからテメーも手伝いやがれ。これ全部仕分けすんぞ」
    チビ共がせっせと集めて下さった山盛りの素材が入った籠を突き付けてやるとメンタリスト様は
    「こっちもこっちでドイヒ~…」
    ただでさえなだらかな肩を更にガクッと落として俺と対面に座り、籠の中身に手を伸ばした。

    ふわりと垂れた白い髪。
    その向こうの顔が見たくなって掬い上げた。

    「へ?」
    3700年前にこいつが出したゴミみてぇな心理本の表紙じゃ悪人面というか胡散臭ぇ面というか…。それが今はスゲェ間抜け面で思わず吹き出した。
    「何?何なの?」
    俺が笑ったらこいつはますます困惑する。
    青灰色の虹彩が揺れた。

    ああ、綺麗だな。

    上手く説明出来ねぇし、自分でもおかしい話だって分かってる。もしかしたら単なる直感なんて非合理的なもんかも知れねぇ。でもなんとなく、こいつのこの瞳の中に俺が望む未来が見えた気がした。
    今までは運命だとかそんな非合理的なものなんざ一ミリも信じちゃいなかったが、テメーと出会えたことでちっとばかり運命てものを信じるようになった。

    テメーは『出会う前から割りと好きだった』と言ってやがったが、実は俺も出会う前からお前が割りと好きだった。
    芸能人にゃ興味無ぇが、たまたまクラスメイトが読んでた心理本の表紙で見たお前には興味を持った。信じねぇだろうけどな。
    テメーの好きなところっつったら…そうだな、切れ長の瞳、案外義理に厚い、人を喰ったような態度、よく動く手指、クールに見せかけて豊かな表情、芸人みてーなリアクション、ペラペラ喋る口、形の良い頭、腰は細ェのに意外と肉付きの良いケツと太股、なだらかな肩、長ェ腕と脚、右側だけ伸ばした特徴的なアシンメトリーの髪型、一を聞けば十どころか百や千まで理解する頭の回転、人心掌握術、僅かな変化も見逃さない洞察力、心理分析力、巧みな話術、もちろんマジックの腕も……って挙げたらキリが無ぇな。かつてはテレビの向う側にいた胡散臭さの権化なインチキマジシャン兼メンタリスト様が好きだ。
    この石だらけの世界でお前に出会えたあのとき、心臓が高鳴った。
    夢が現実になったのか。
    運命と思っていいのか。
    ずっと待ち望んでいた。
    理屈なんざ必要ねぇ。
    根拠なんざ必要ねぇ。
    テメーはおかしいと笑うだろうけど、「ペラペラの蝙蝠男」なテメーの隣が俺の安らげる場所だ。何と言おうがテメーは心の底から信頼出来る愛しい奴なんだよ。
    なぁ、笑っちまうようなおかしな話だろ?でも信じやがれ。
    出会う前からお前が好きだ。
    出会う前からお前に恋してたってことだ。

    「ゲンいたー!!」
    「やっぱり村長のところだ!」
    チビ共がわらわらと乱入してきやがった。
    「ゲン!怪獣ごっこの続きしよー!」
    「もうリームーだよぉ…千空ちゃんに遊んでもらいな?」
    「ぁ?俺を巻き込むんじゃねぇ」
    「えー?!村長じゃ走り回るの無理だよ」
    「村長じゃ怪獣ごっこの迫力無いもん」
    おーおー、良い子のクソガキ共は好き勝手ほざきやがる。明日からノルマ増量してやるから覚えておけ。
    「ねー!遊ぼ遊ぼ!」
    チビがゲンに抱き付くと仕込んでいた花が服から飛び出した。
    舞い上がった花びらと白い髪が陽光をキラキラと乱反射させる。

    ああ、綺麗だな。

    宗教画みてェだ。天使に祝福されてるようだった。
    クソ、ここにチビ共がいなかったらこの愛おしいって感情のまま思いっきり抱き締めてキスの一つでもかましてたんだがな。

    浅霧幻、俺はお前が欲しい。
    石神千空の全てをくれてやるから、お前の全部をくれよ。
    俺は満たせるのはお前だけだ。

    I want you

    朝から山で素材集めでございました。
    それが終わったら子ども達と遊びます。
    リクエストは怪獣ごっこなので迫真の鳴き声を上げながら子ども達を追いかけていたところ、気が付くと追いかけられる側に回っておりました。
    疲れてラボに逃げたら逃げたで今度は千空ちゃんにこき使われました。
    はい、本日もドイヒー作業でクタクタでございます。

    お風呂で汗を流して1日の疲れを取る。
    寝床に行こうとラボの側を通ったら灯りに気付いて中を覗くと、千空ちゃんがうつらうつらしながら製図とにらめっこしていた。
    「千空ちゃんお風呂行かないの?」
    「~…今日はいい」
    「2日くらいお風呂入ってないでしょ?明日はちゃんと入ってね」
    「2日じゃねえぞ3日だ」
    「ドヤ顔で言うんじゃないよ」
    お風呂だけじゃなく、恐らく2、3日まともに寝てないだろう。頭がガックンガックン、最早ヘッドバンキングみたいになっている。
    「千空ちゃん、もう寝なさい。寝不足は作業効率が下がるし注意力も散漫になる。そもそもそれで千空ちゃんが倒れたりしたら元も子もない。ね?合理的じゃないでしょ?」
    「…ちっ」
    舌打ちをして千空ちゃんは渋々ラボの床に簡易の寝床を用意した。
    もう俺も眠いし、それに俺が居なくなった後にこっそり作業の続きをしないように監視も兼ねて一緒に寝ることにした。

    ヒョロガリともやしとは云えラボに男2人は狭い、だから千空ちゃんとの距離がめちゃくちゃ近い。

    「おやすみ」
    「ぁ……」
    すぐに千空ちゃんの寝息が聴こえた。
    俺も目を閉じる。

    …千空ちゃんには寝ろと言っておいてなんだけど、眠れない。

    ねぇ千空ちゃん、最近俺にゴイスー不思議な現象が起こるの。謎に満ちた怪現象よ。
    目を閉じていても君の水晶みたいに研ぎ澄まされた心と、その赤い瞳と同じくらいに燃え上がる炎みたいな情熱が脳髄の奥底からジュワジュワ~ッと湧いてくるのが見えるの。
    そうなるとなんかもう居ても立っても居られない、人間大砲みたいにドカーン!!と飛び出して思いっきり千空ちゃんを抱き締めてキスしたい衝動に駆られるんだ。

    ねぇ千空ちゃん、もう一歩だけ君に近付きたいよ。
    手を伸ばしたいよ。
    許してくれるかな?
    首筋に顔埋めて思いっきり千空ちゃんの匂いを吸いこみたい。
    千空ちゃんは知らないでしょ?木の幹に刻まれた『5738年4月1日』の文字を見つけたことが俺にとってどんな大事件だったかなんて。
    これって恋?う~ん、メンタリストの俺にも分かんないや。でも死ぬほど君を求めているんだけどね。

    軽薄なぺらぺらの蝙蝠男なのにさ、石神村に来て一目君を見たらますます惹かれちゃった。出会う前から好きだったけどさ、うん、もう完全にノックダウンされたね。
    なんで司帝国から石神村に来たのか危うく理由を忘れちゃうところだったよ。

    もっと君に俺のことを知ってほしいし、もっと俺は君のことを知りたい。
    君の好きな物は科学、宇宙、ラーメン。
    俺の好きな物はコーラ、マジック、可愛い女の子!あとは驚いた顔も好きだな〜。天文台をプレゼントしたときの千空ちゃんの表情は最高だったよ。他にももっともっと色々知りたいし知ってほしいんだよね。
    あーあ、言葉を交わしたり贈り物したりするのって楽しいけど着衣水泳してるみたいでゴイスーまどろっこしいよ。

    ねぇ千空ちゃん、あと一歩だけ君の近付きたいよ。
    昂ってるこの熱を伝えたいよ。
    許してくれるかな?
    これは恋なんだよ。

    ねぇ千空ちゃん、俺は君に恋してるよ。
    俺を全部をあげるよ。
    君の全部が欲しいよ。
    千空ちゃんは知らないでしょ?俺がこんなにも千空ちゃんを求めているってことをさ。

    ねぇ千空ちゃん、俺は君が好きなんだ。
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