刃という物 何事も刹那に終いとせず
満身創痍なその身体に一線を設けたならば
じわり と、真綿で首を絞められるように
赤くて醜い生命が 矢継ぎ早に顔を覗かせ
濃密に溶けてゆく。
快感。愛でる ぱっくりと開いた疵口を
枯渇した喉の音を 薄寂たる憂いを
隠し背負った蒼を 貴方の全てを
不可思議な愛で慈しみ纏う。
「......いいえ、これは純愛なのです。私から貴方へ 真っ直ぐな、」
無価値とも均しい憎悪の眼へ誘われる此頃
悦楽に狂う自身の空っぽな鼓動が地を鳴らす。
憎悪という“好奇心”で 脳内に聚合する私の影
それは その哀(アイ)は、
永遠に貴方の心に妄執付くのでしょう。
私を見て、哀して、結ばせて
血汗の混じる 混濁した熱を
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