ふつふつと…怒りにも悦びにも似た何かが沸き上がるような感覚が
その身を襲う度に、どうしようもない感情や衝動がこの身体を支配しそうに…
されそうになる度に、あの刀のすべてを暴き、壊したくなる…
そんなものに支配されたくはないというのに…そうイラつきながら抑え込む…
こんな気持ち、アイツに知られたらどうなるのか?
ふと、そんな考えがよぎった自分を嘲笑った……
ただ遠目に眺めているだけだった…だけ、だったはずだった…
いつの間にか俺の心の中に入り込み、気が付けば目で追いアイツの事を考えていた…
最初は犬猫や動物のようだと、それらを観察するのと同じように見ていた
警戒して近付いて来なかったものが次第に慣れて懐いてきて
見えなかった表情が少しずつ増えていって…動物たちも似たような感じだろ?
そう…動物…戦いの中のアイツも動物…獣のようだったな……
血を滴らせ斬り裂く…野生の獣の眼…ああ、アレが俺の欲しいモノか……
少しずつでもソレを手に入れるのに、こちらから何か仕掛けてみるのもいいか…
などと、悪戯心に仄かに火が点いた……
(2022-11-22)