「なあその写真って、どうしてるんだ?」
パシャ、パシャと鳴るシャッター音を聞きながらダンデは問いかけた。プライベート用スマホの向こう側には、にこにこと笑う恋人がいる。
「別にどうもしないよ?オレさまが見るだけ。
…あ、もしかしていい加減嫌だった?ごめんそれなら…」
「違うぜ、嫌なわけじゃないが…」
ひとつ、疑問に思うことがあった。
恋人になってから数年経ったというものの、キバナは相変わらず時折オレを撮る。彼は恋人という関係をもつ前からも自撮り、仲間やポケモンたちとのオフショットなど、ことある事に写真として残しSNSにアップしていることは知っていた。オフの自分を撮る習慣もまた、その趣味の延長であると思っていたのだが。そこには決定的な違いがあった。
1200