あの頃の2人(レフ＆レスター)げぇ！バレた！！

「んぇ…なんですかぁ〜？」

レフ！早く逃げんぞ！！
青のチクリの奴らだよ！ラウンドもいる
こんな時間に何やってんだってすぐ…

『こんな時間に何やってる？』

ヒィ！

「あぁ〜！先輩じゃないじゃないですか！
校則違反の実験です！
やりませんか？面白いですよ〜！
先生たちにはバレないように…」

『バレるだろ。』

「えぇ？」

『俺がチクるんだから』

+

「ひどくないですか〜！！！！
おかげで実験棟立ち入り禁止ですよ！」

そりゃぁ自業自得ってやつさ
そのリスクを背負ってやってたんなら受け入れなきゃ

「でも告発したのは生徒ですよ！
一緒にいいよ〜！って言ったのに
あのボサボサ眼鏡〜」


パシッ！！
『誰がボサボサメガネだって』

「あ"ーーー！！！」

やぁレスター・ラウンド君
今日も歴史書をお探しかな

『はい、ヤナギ先生。
レスターでいいですよ』

私の記憶している『レスター』は8人いるからなぁ、苗字がないと君じゃないんだよ

『そうですか…ならそれで』


ーあいつ、親いねーから先生に取り入るのに必死なんだぜ
ーわざわざ女のセンセに媚びるんだからな
ー結局心ごと貧しいんだろ、名門来たってアレじゃ…

(先生にはいい顔なのは本当だけど…)

『お前はなんでここにいる』

「ぼ、僕は〜ヤナギ先生の弟子なので」

『弟子？』

コメディのね

「そう！実験室に入れない今、磨くべきはウィットのセンス！！それを学んでいるんですよ！」

『ヤナギ先生の寒いセンスを、まさか継承するおつもりで？』

寒いとはなんだね
「そうだ、寒くないでしょうが」

『下らない
普通に勉強でもしてろよ』

「数学は主席です、計算機と呼んで下さい」

これは本当だよ
というか、いいのか君はそれで

『…
ヤナギ先生の邪魔するなよ』

「してません！」

お求めのものはいつもの戸棚に纏まってるけど、何冊かこの前先生方が持ってったから返却棚も見ていきな

『ありがとうございます』

+

「先生〜
あの人、先生にいい顔しすぎじゃないですか〜？」

それって悪い事かい？

「そう言われると何も言えないですけどぉ…」

君の言いたい事は分かるよ
でも彼にはね、いま後ろ盾がなくてね。
成績も進路も一つとして失敗できない時期なのさ

「？」

少し前からね
彼の養父からの連絡が途絶えてしまってね。
親族がいない彼にとって唯一の家族だったんだよ。

「ラウンド先輩は家族がいらっしゃらないんですか。」

彼は孤児だよ。そこを歴史家の養父がたまたま拾って、魔法が使えるんでここに入れるように色々工面してもらったようだ。

その養父から連絡が途絶えた…あまり…想像したくはないがね。

彼はそんなそぶり見せないけれど、
壮絶な人生だろ。
大人の私たちも軽くは扱えないのさ。

「そんな境遇…僕にはわからないな…」

そうだろうね。
でも君は他の生徒とは違うと信じているよ。

「僕が？」

だから話したのさ。
私のセンスがわかる君だからね。