ALERT 間抜け面。
ふ、と気が抜けた笑いが込み上げて、そんな自分に二見は驚いた。
間抜け面で、呆れるくらい安心しきったようないびきをかく新橋の鼻を軽くつまむ。部屋はまだ情事の火照りが乾ききっていない感じがする。金曜の夜毎にこうして過ごすことが増えたことに、何とも言えない気持ちになる。
絆されている。その一言に尽きる。
私生活だけじゃなく、〝全て〟にこの男の侵入を許した。それがどれ程自分にとって大きなことか、この呑気な男は知る由もない。が、勿論言うつもりもない。
甘っちょろい理想とまっさらな心をストレートにぶつけてくる新橋という男は、出会った頃から変わらない目をしている。
絶対に消えない炎のような強い目。
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