きたまお @kitamao_aot なんでもいいから書いたもの置き場。脳直に書いたら見直し一切せずにおいています。 ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji POIPOI 26
きたまお☆quiet followTRAININGフランスに行くやっくんがキリンに打ち明けるだけの話 ##進化 ##キリヤク やはり少し遠いな、と倉敷ヤクモは思った。以前はこの施設に来る際は、ほとんど車だった。今日は、あえて電車にした。同居人が通っているのと同じ道を通ろうと思ったからだ。 品川駅から上野東京ラインに乗った。大宮駅までは乗り換えなく一本、乗車時間は四十分。大宮駅で降りてホームから階段を上り、駅構内の店を左右に見ながら西口へ。平日昼間なのに、大宮駅はなかなかの人出だった。看板を見ながらニューシャトル乗り場というほうへ進む。通路には幼児を連れた若い母親や、祖父母、メガネをかけた少年たちの姿が目立った。 ニューシャトルはコンパクトな箱形の列車だった。入線時には昔のアニメの歌が鳴った。同居人はこんな音楽が鳴るなどひと言も言っていなかった。彼は知らないだけなのかもしれない。 一駅、五分の乗車で目的地だ。親子連れや少年たちのほとんどがこの駅で降りるようだった。彼らと目的地は一緒だが、入る入り口が異なる。鉄道博物館の正面を通り過ぎ、裏口そばまで来てからヤクモは電話をした。「仕事中に呼び出して悪いね」 内側からドアを開けた彼にヤクモは言った。長い金髪をゆらして、キリンはかまわない、と答える。キリンは、朝出かけていった服の上に、白衣を着ていた。 そのまま彼の所属している地下の研究所に行くかと思ったが、キリンが向かったのは鉄道博物館の屋上だった。円形の屋上は、外周に腰の高さくらいまでのコンクリの壁があり、その上に透明なパネルがはめ込まれた壁でぐるりと囲まれている。どうして透明壁なのかはすぐにわかった。屋上の左手に高架があり、ちょうど奥の方から緑色の車体が走ってくるところだった。壁に張りついていた子供たちが、歓声をあげる。博物館脇を通過する新幹線を見るための透明壁なのだ。「ここ、初めて来たよ」 もともとヤクモは鉄道にはさほど興味がない。仕事で仕方なしに鉄道に関わってきたが、この施設に来ても地下の研究所にしか行かなかった。「キリンは、ここによく来るの」「たまにだな」 ベンチも円形に並べられていた。一番奥のベンチにキリンが腰掛けた。その右にヤクモも座る。長い金髪と青い目、西洋人風の見た目のキリンはここでは目立ちすぎるのではないかと思ったが、周囲の人々は気にしている様子はない。誰もが、通り過ぎる新幹線や、屋上から見下ろせる博物館施設に夢中のようだ。ホウキと箱形のちりとりを持った作業服姿の中年女性が、キリンを見て目元を和らげて会釈をしてきた。キリンも軽い目礼を返す。知り合いのようだ。「キリン、本当にここで働いているんだな」「疑って、見に来たのか」 いや、とヤクモは答える。かつて、シンカリオンたちを敵に回して戦い、敗れたキリンは超進化研究所の総合指令部に捕らえられていた。九ヶ月ほどの勾留ののちに条件付きで解放された。さらに一年たって、超進化研究所大宮支部に呼ばれるようになった。 ——キトラルザスのもつ技術を新規シンカリオン開発に提供して欲しい。 それがキリンの新しい仕事となった。どうやら、同じく大宮支部で働いている他のキトラルザスからの推挙があったらしい。以来、キリンはヤクモのマンションからここ大宮の研究所まで通ってきている。「昼からこんなところまできて大丈夫なのか」「うん、今日はもう休みにしたんだ。定岡に頼んだ」 ヤクモは首を上に向けた。冬の空はどこまでも青い。周囲に高い建物の少ないここでは、空が遠く見える。「なにか言いたいことがあるのか。それとも今、聞かないほうがいいのか」「うん……」 視線を正面に戻し、ヤクモはメガネの位置を直す。と、突然肩に重みを感じた。左から伸びてきたキリンの長い腕が、ヤクモの首の後ろに回り手が右肩にかかった。手首が返され、ヤクモの顔はキリンのほうに向けられる。 近づいてきた白い顔が、視界を覆う。そのまま、薄い唇がヤクモの唇に重なった。ふわりと風が吹くように、一瞬、唇を合わせてすぐに離れていく。「おい、外だよ!」「誰もいない。何の問題がある」 慌ててヤクモは周囲を見渡す。たしかに、さっきまで壁に張りついていた子供たちも、清掃員の姿もない。だからといって、ここはキリンにとっては職場ではないか。「ああもう、きみは見た目は欧米人だけど、中身は別に欧米人じゃないだろう。外でキスとかってさあ、どうなんだよ!」「フランスだったら、こういうこともありうるのではないか」 ぎくり、とした。キリンは知っているのだ。ヤクモが言い出せないでいたことを。 研究所の中で聞いたのか、それとも例によって、彼のもつヒトとは違う力で知ったのか。 肩にまわされたままのキリンの手に、ヤクモは手を重ねる。「以前、シンカリオンの共同研究をしようとしていたフランスの研究施設だ。来ないかと誘われている」「ああ」「いまの仕事は定岡が好意で雇ってくれているだけで、いつまでも彼の好意に甘えていてはいけない気もする」「ああ。それに、やつはたぶん今でもおまえに気があるな」 同級生の定岡がヤクモに言い寄ったのはもう十年も昔のことだ。あのとき、キリンは定岡を殴り倒した。「フランスだと、きみと一緒に行くことはできないと思う。きみは日本国内で所在が確認できること、というのが解放の条件だったから」「ああ」 つまり、ヤクモがフランスの仕事を選んだら、キリンとは離ればなれになる。 高校生時代を一緒に暮らして、卒業とともにキリンは家を出た。科学産業省勤めのときはたまに会うだけだった。キリンが勾留から解放されたあとに、やっとまた近くにいられるようになったのだ。また、離れなければいけない。「選べ、ヤクモ。おまえが選んだ道が、正しい道になる」「……意地が悪いな」 ここに来るあいだもずっと考えていた。そばにいることを選ぶか、仕事を選ぶか。どちらを選べばいいのかわからない。「大丈夫だ。ヤクモ。おまえはいつだって正しい選択ができている」 ヤクモが手を下ろすと、キリンの手はヤクモの頭にあがり、髪をくしゃりと触った。「キリン。俺は——」 折良く走ってきた新幹線の轟音が、ヤクモの言葉をかき消していった。Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! 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きたまおTRAINING106話付近、ニコロが料理人として定着したあたりで、ニコロのご飯を食べる皆さん。初めのうちは海でとったものを食べるなんてどうかしていると思っていた。なにせ、人類は一年前に海に到達したばかりだった。ハンジ団長やアルミンは海にいる魚や虫みたいなもの、なにかわからない黒いぐねぐねしたものも夢中になって追いかけていたが、ジャンは気持ち悪くて触るのも嫌だった。「海の幸を食べないなんて、海に囲まれた島の人間としてあるまじきことだ。それだけでもおまえらは十分罪深いよ」 大皿にどんどん料理を盛りながらニコロが言う。ニコロはマーレ人の捕虜だが、もとは料理人をしていたそうだ。自分の店を持つための資金作りとして、パラディ島調査船に志願し、あっけなくこの島で捕らえられた。口は悪いが腕はいい。「いやでも、これを食べるってどうかしてると思ったぜ」 ジャンは大きな鍋から、真っ赤にゆであがった固い不気味な生きものを引き上げる。昆虫みたいに固い殻に包まれて、真ん中の胴体は四角形、足が左右に五本ずつ出ていた。一番上の足にはザリガニみたいなはさみがあって、気持ち悪いことに全身にびっしり短い毛のようなものが生えている。「でも、うまいだろ」 言葉に詰まった。前回も最初は敬遠していたが、ニコロが 2217 あいだDOODLE親方とリーマン エッチな現パロパスワード18歳以上ですか yes/no ☕🕊🍃DONEリヴァイさん、お誕生日おめでとうございました‼️ずっとずっと大好きです。その他らくがき 7 mercilusstDOODLE