幸せの贈り物「や、相棒! いいところで会ったね」
様々な人で賑わう昼下がりの璃月。
昼食を終えて万民堂から出てきた旅人を呼び止め、ファデュイの公子……タルタリヤがにこやかに駆け寄ってきた。
どうせならもっと早く会いたかったぞというパイモンのぼやきを程々にスルーし、旅人は上背があるタルタリヤを見上げて首を傾げてみせた。
「どうしたの? 今日はファデュイとか北国銀行の仕事は無いの?」
「今日はオフなんだよ。だから冒険に連れてってくれてもいいけどー……ってそれはそれとしてだ」
タルタリヤがポケットから小さな赤い包みを取り出し、興味深そうに覗き込んだパイモンへずいっと差し出した。
「はい、あげるよ。おチビちゃんはお菓子とか好きだろ? 相棒と分けなよ」
1386