胡乱しょうもな大学生BL冒頭 目が覚めると、市ヶ谷は見覚えのない部屋に出迎えられた。寝ぼけ眼で知らない天井を眺め、上半身を起こす。
ここはどこだ? ワンルームっぽい整頓された部屋を見渡すと、自分のいるベッドのヘッドボードにデジタル時計が置かれていることに気がついた。
二十三時四十七分の表示を見て、眠っていた時間はそんなに長くないことに安堵し、しかしこの不可解な状況に少しばかりの焦りを覚える。焦燥が少しばかりで済んだのは、市ヶ谷は本日、夜十九時より大学の友人主催の合コンに参加していたからだった。大方、飲み過ぎてその場で寝てしまい、参加者のうち誰かの部屋に仕方なく連れてこられたというところだろう。
合コンはとんだ茶番だった。まともにやる気のあったのは主催の友人と、相手の女子グループのうち一人だけで、残りの女子は全員彼氏持ちだった。人数合わせで呼ばれた人間が過半数を占める終わりの合コンだったわけである。
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