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    めてぃ

    結界師正良の妄想をほぼ壁打ちでただ垂れ流すだけのアカウント。
    あとは自作正良ぬいで色々と写真取ってます。
    メモとあるのはほぼ小説かほんとにメモだけです。
    なにかあればTwitterかマシュマロまでどうぞ。

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    めてぃ

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    クリスマスな正良🎄🎅

    読み直して気づいたけど、毎度同じ傾向な正良です。
    なんとかクリスマスに間に合わせたかったので最後もうちょっとどうにかと思うけど時間的に無理でした…
    あと、先にあらすじ書いて肉付けしたらやたら説明っぽい文章になってしまったので読みにくかったらすみません。
    色々言い訳しましたが、とりあえず正良が幸せになればいい精神なので、みなさんの想像力が頼りです。
    メリークリスマス!!

    寒さも厳しくなり始めた12月初旬、久しぶりに正守から電話が入った。
    いつものたわいもない会話をしているとクリスマスの話題になる。
    「今年のクリスマスケーキはなにがいい?ブッシュドノ…」
    『ごめん。クリスマスは遠征でちょっと時間のかかる仕事が入っちゃったから行けそうにないんだよね』
    「そっか…仕事だったらしょうがないよな」
    『ほんとゴメン。今年こそはって言ってたのにな』
    「仕事じゃどうしようもないって…別に俺はいいからさ」
    本当に申し訳なさそうに謝る正守に、電話では明るくそういったものの今年こそはと期待していただけに少しだけ寂しさは感じる良守であった。
    だが正守とて、無理して明るくふるまっていた良守のことを気づかないはずはなかった。


    クリスマス・イブ当日。
    正守は仕事で来れないというし暇ならシフトに入ってと店長に頼まれ,、良守はバイトに勤しんでいた。
    バイト先は街の人気のケーキ屋さん。良守自身も老若男女問わず訪れる客に笑顔で対応する素敵な店員さんとここ最近ひそかに人気で、実は良守目当てのお客さんも多い。店長ももちろんそれを知っていたので、一番のかき入れ時となるクリスマスにバイトをお願いしたのだった。
    「墨村くんごめんね。クリスマス忙しいよね。でも、できれば…バイト入れないかな?」
    「全然予定ないんで大丈夫ですよ!」
    店長の思惑などつゆ知らず、良守は外でサンタの格好をし張り切ってクリスマスケーキを売っていた。

    夕方近くになると、大学の友達たち数人がワイワイとやって来た。
    「今日の夜みんなでクリパやるから来ない?どうせ暇だろ?彼女いないって言ってたし」
    「うーん…」
    「え?もしかして彼女できたのか?」
    「いや違うけど…」
    いつもなら迷わず了承する良守だったが、もしかしたら正守が来るかもというわずかな期待もあり即答できずにいた。それでも、遠くで仕事って言ってたし一人でいるのも逆に寂しいよなと納得させると、行くと返事をした。
    「じゃあ、決まりな!場所はたぶん誰かの部屋になると思うからまた連絡する」
    「わかった!」
    バイト中ということもあり、用件だけの会話で済ませるとついでのようにケーキを買って去っていく友人たちを見送った。バイト後の予定も決まり少しだけ気分が浮上したが、そんな会話を人ごみに紛れて見つめる人影があったことに良守は気づいてはいなかった。

    バイトが終わった頃には、すっかり夜になっていた。
    友達の家へ向かう途中、駅前のショッピングモールへ寄る。キラキラと輝く街中にはカップルが溢れ、手をつないで仲良くイルミネーションを見たり幸せそうにしている。仕事だから仕方ないと割り切ったが、周りの雰囲気を見るとどうしてもさみしくなってくる。クリスマスデートには憧れるが、付き合い始めてから結局今までそれが実現したことはなかった。
    パーティーでの交換用のプレゼントを探しながら、どうしても正守へのプレゼントが頭をかすめてしまう。どうせ会えないからと渡すか悩んでいたプレゼントだったが、友達用のものを選んでいると正守だったら何が似合うかばかり考えてしまう。結局、悩むくらいなら遅れてでも渡そうと思い、正守に似合いそうな襟巻きを見つけると綺麗にラッピングしてもらった。
    良守が友達の家に着いた頃にはすでにパーティーも始まって盛り上がっており、シャンパンにワインにと次々に開けられていた。アルコールにそれほど強くはない良守だったが、会えない寂しさを紛らわすように注がれたシャンパンを口にする。すると、あっという間に先に始めていた友人たちと同じテンションになっていった。普段なかなか見られない良守の姿に友達たちも驚いていたが、同じようにアルコールが入った状態では逆に飲めや歌えやの大盛り上がり。みな気持ちよく騒いだところで大盛況のままお開きとなった。

    その帰り道。
    火照った顔を冷たい風が冷ましていく。パーティーではしゃいでいた反動で一人になったとたんにさみしさが急激に襲ってくる。
    「なんだよ仕事って…わかっちゃいるけどさぁ、恋人放っておくなんてさぁ…さみしくないのかよぉ…」
    落ちていた石ころを蹴り、つい悪態をついてしまう。
    「はぁ、会いたいなぁ」
    空を見上げてつぶやく。文句をいくら言ったところで行きつく先は結局そこしかない。重くなった足取りでとぼとぼと家に帰った。
    そんな良守の姿をまた、物陰から見つめる視線があったことには当然気づいてはいなかった。

    部屋に帰ると荷物を床に放り投げたままコートも脱がずにベッドに倒れ込む。本当だったら今頃正守と二人で過ごしていたのだろうか。なんで会えないのだろうと泣きたくなってくる。酔っているせいか、いつになくセンチメンタルな感傷に浸る。
    あれこれとつい考えていると、疲れと酔いもありなにもかもが面倒くさくなってしまった。
    「もういいや。全部明日にしよう」
    目を瞑るとそのまま夢の世界へと旅立っていった。

    しばらくして玄関の鍵が開き正守が静かに入ってきた。合鍵はもらっていたのでいつでも来ることはできる。
    部屋まで来てそのままの格好でベッドに寝ている良守の姿を見て一瞬びっくりしたが、スヤスヤと寝息をたてて眠る顔を見ながら横に腰掛けてそっと頭をなでる。
    「まさもり…」
    起きたのかと思って動きを止めたが、ただの寝言だったようだ。頬に手を当てると冷たい手が気持ちよかったのか、ふにふにと口を動かしてふにゃっと笑う。寝顔はいつも見慣れているはずなのに、あまりの可愛いさについ見とれてしまう。
    一向に起きる気配のない良守にしばらくの間そうしていたが、無造作に床に置かれたトートバッグからサンタの衣装がはみ出ているのに気づいた。正守はそれをそっと引き出すと目の前に広げてみる。バイトの時に良守が着ていたもののようだ。大きさ的にさすがに着れそうになかったので上着を肩に羽織ると帽子だけ被った。
    床に下した自分の荷物の中から良守へのプレゼントを取り出すと枕元へ置き、「メリークリスマス」といって頬にキスを送る。それでも良守は目覚めなかったものの、くすぐったかったのか笑顔になる。それを見届けると、目覚めぬようにと着ているコートはそのままに、クローゼットから毛布を取ってきて掛けてやると、そっと部屋を出て行った。

    良守はふと、人の気配を感じて目を覚ました。正守がいたような気がしたが特に誰もいない。そのまま寝てしまったことに気づいてベッドから降りようとすると、覚えのない毛布が掛けられ、寝る時にはなかったはずのプレゼントが枕元に置いてあることに気づいた。
    慌てて周りを見回しても正守はいない。だが、閉めたはずのカーテンが少しあいていることに気づいた。急いで駆け寄ってカーテンを開けると、ベランダの手すりに寄りかかって月を見上げている正守がいた。窓を開けると勢いよく後ろからぎゅっと抱き着く。
    「バカ正守」
    来てくれたことが嬉しくて仕方ないのに照れ隠しについ悪口が出てしまう。来てくれればいいのに思っていたことが現実になって、溢れる喜びを背中に顔をうずめて噛みしめていた。
    それを背中で感じていた正守は、抱きついている手をそっと外すとくるっと振り向く。
    「メリークリスマス。さみしくさせてごめんな」
    頬を手でそっとなぞりながら顔を近づけると、そっと触れるだけのお詫びのキスを送る。
    と、良守は正守がサンタの帽子を被っていることに気づき、吹き出してしまった。
    せっかくのいい雰囲気だったのに正守はがっくり肩を落とす。
    「お前なぁ…」
    「だって。何被ってるんだよ。コレ」
    そう言いながら帽子を取る。
    「せっかくサンタになってお前にプレゼント届けにきたのにさ」
    「なんだそれ」
    そう言いながらも良守は自分でかぶると、正守の襟を掴んで顔を引き寄せる。
    「メリークリスマス。俺からもプレゼント」
    今度は良守からキスをする。
    「俺はキスよりもお前本体が欲しいかな」
    そのまま首筋に顔を埋めるとぺろりと舐めたあとにかじりつく。
    「なっ!?もう、離せって!そういうことじゃないし!あとここ外から見えるし、寒いし」
    腕の中でジタバタもがいてそれらしい言い訳を並べ立てたが、ふと動きを止めると正守の胸に顔をうずめて、聞こえるか聞こえないかの声で囁く。
    「だから、正守があっためて」
    言った良守自身も恥ずかしくなって耳まで真っ赤になるが、それを言われた正守も固まる。動きが止まった正守をいぶかしんだが、顔を寄せていた胸から聞こえる心臓の音はすごい勢いで鳴り響いていたし、見上げた顔が赤くなっていることに気づいた。
    「正守?」
    「クソっ。朝まで覚悟しろよ」
    そのまま軽々と良守を抱きかかえて部屋に入ると、器用に窓とカーテンを閉め、そのままベッドに雪崩れ込む。
    「お前が誘ったんだからな」
    「だって…初めてクリスマス一緒に過ごすんだもん。俺、すっげぇ嬉しい。ちゃんとプレゼントも用意してるけど、今は俺のこともらって?」
    「お前酔ってるだろ?普段絶対そんなこと言わないのにな」
    「そんなんどーだっていいじゃん。正守、俺のこといらない?」
    首に腕を回して顔を引き寄せられ天使のような笑顔でそこまで言われてしまったら黙っていられる正守ではない。
    「お前のこと全部もらってやるよ。明日足腰立たなくなっても知らないからな」
    「いいよ。明日はバイトないし」
    言葉通り、翌朝足腰の立たなくなった良守に怒られる正守だったが、初めて二人で一日クリスマスを満喫するのであった。
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