久しぶりのデートの帰り道。
「あのさ、今日はちょっと遠回りして帰らない?」
「いいけど、なんで?」
「あーいや、ちょっとコンビニ寄りたくて」
「いつもの道にもあるじゃん?」
「そーなんだけど。そこじゃないコンビニ行きたくて」
「なんか買うの?」
「まあいいじゃん?」
「ふーん」
コンビニにて
「すぐ終わるからちょっと待ってて」
正守を外に置いて、店内に行く良守。
しばらくすると、なにか持って出てきた。
「はい、コレ!」
「ん?」
「メロンソーダのアイス」
「1つだけ?」
「うん、当たったの1個だから兄貴食っていいよ」
「良守は?」
「俺はいらない。溶けちゃうから早く食いなよ」
アイスと良守の顔を往復する正守。
「当てたのがお前ならお前が食えばいいだろ?」
「いいよ俺は。クリームソーダだって見た瞬間に兄貴のために当てたいなって思ったら当たったから。だからそれは正守の」
「そうか、それならもらうかな。あ、でもちょっと待ってて」
そういうとコンビニに入ってく正守。
出てくると、手にはまったく同じアイスを持っていた。
「なにこれ?」
「これは、俺がお前に食べさせたくて買ったアイスだからお前の」
「え?いいの?」
「だって食べたかったんだろ?」
「なんで分かった?」
「顔に書いてあった」
「え?うそ?」
「うそ(笑)でも、せっかくなら一緒に食べたいだろ?ほら、お前が持ってるやつよこせ」
「ありがと!」
良守が持っていたアイスと交換する正守。
コンビニの外で、並んでクリームソーダアイスを食べる二人。
「お礼に、今度はちゃんとしたクリームソーダをごちそうしてやろう」
「また、クリームソーダ?」
「いやならいいぞ」
「いやじゃない!ついでにパフェもな!やった!」
「パフェは言ってない」
「え~、じゃあいいや・・・」
「うそうそ、パフェも頼もう。ついでにケーキもだな」
「頼みすぎだよ(笑)でも楽しみにしてる」
いつの間にか、デートの約束を取り付ける正守。