これは二人の未来のはなし 自動ドアを潜り、まず視界に飛び込んできたのは、ごろりと大きなかぼちゃだった。
オレンジと黒。それから、黄色と紫。コウモリ、蜘蛛の巣、ランタン、おばけ。華やかな装飾が売り場を彩っている。
今日は十月三十一日。そう、ハロウィンだ。
降谷は近所のスーパーマーケットを訪れていた。と言っても、降谷の自宅の近所ではない。宮野志保の、自宅アパート兼ラボの近所である。
とある事件に関わる映像解析を依頼するため、夕刻に彼女の自宅を訪問した。依頼はまだ終了した訳ではない。現在進行形で、解析をしている真っ最中だ。
懸命に解析を頑張ってくれているのは、彼女が開発した万能な解析ソフトで。その間、人間は暇を持て余すことになる。
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