美澪「あれ、澪…じゃないよね、君も美澪?」
幼美澪「…?
…うん、美澪だよ。」
美澪「もしかして小さい時の俺かな…記憶が無いのって不便だなぁ…
聞かれたくない事だったらごめんけど、なんでそのお洋服を着てるんだい?」
幼美澪「…お母さん、女の子が欲しかったみたいだから。
女の子のお洋服着てないとぶたれるの。」
美澪「…澪がお母さんの事を話したがらない理由ってもしかしてこれかな…、
ごめんね、なんかあまり良くないこと聞いちゃって。」
幼美澪「ううん、お母さんがちょっとおかしいってことは俺、…私も分かってるから。」
美澪「そっか…、女の子のフリをしていたい訳じゃないなら、ここでだけでも気楽にしてなよ。
きっとお母さんはここに来ないはずだから、ね。」
幼美澪「…男の子のお洋服とか、俺とか使って大丈夫なの?」
美澪「うん、君がそうしたいならそうしてほしいけど普通に男の子の服はここにはあるのかな…、…あ、そうだ、俺の服でも着るかい?
多分上着位なら君でもまだ着れるとは思うけれど…」
幼美澪「…!うん、着てみたい…」
美澪「りょーかい!んじゃ、ちょっと待ってね。
…はい、ちょっとぶかぶかかもしれないけれど。」
幼美澪「…ぶかぶかだけど、ちゃんと男の子みたいで嬉しいな…」
美澪「ストレス発散したかったらいつでもここにおいでよ、と言っても俺が寝てる間だけなのかな…?
いつもみたいに澪もいないみたいだし…」
幼美澪「えと、お母さんがいない時なら、俺、こっちにいけると思うけれど…」
美澪「うん、いつでもおいで。
と言っても俺には一緒にお話するくらいしか出来ないけれどね。」
幼美澪「ううん、お母さん、いつもリビングで知らない男の人とばかりお話してるから、
お話してくれるだけでも嬉しい。」
美澪「うーん……ほんとにいつでも逃げておいでね…?」