乱くんが田中さんの死を知ったらこうなる幻覚ケモナフーズの事件を解決してから数日。朝ごはんを食べ終えた乱はゴミ袋を持って家を出る。今日もカラッと晴れた空が広がっており、万里が外に出るには向かない日だろう。日傘を持っていかないとな……とどうでもいいことを考えながら家のすぐ目の前のゴミ捨て場に向けて袋を放り投げた。落ちることなく袋の山の頂点に収まったそれを確認し、さっさと立ち去ろうと背を向ける。
「あの……お隣の方ですよね」
と、その時。背後から声がかかった。振り返れば、隣近所の田中家から見知らぬ女性が顔を覗かせている。
「はい。田中さん家の隣に住んでいる真神です」
「お、おはようございます。私、田中果子って言います。あの、確か警察の方ですよね……お2人で住んでいらっしゃる……母からよく話は聞いていました」
8443