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    りんごおばけ

    @bakebakeRin5

    お話にならなかったネタとか飽きたやつとかぬるいR
    他、当面なんでもかんでも気まぐれにおきます

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    りんごおばけ

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    葉→アンナです(どん!)眠いし1発書きだから何書きたかったかわからなくてですね…

    パッチ再会後の期間、いまだかつてないくらいアンナ可愛いと思ってる麻倉葉がいるとして(仮定です)
    まあ14チャイとかだし?お花畑になってベタベタしたくなってもおかしくないよね〜というところから書き始めたらなんかポイに出すボリュームじゃない気がするけどまあいいか!

    いちゃいちゃしててほしい!!!

    底から落ちるなあ、たぶんだってこれはあれだ。病気なのだ。だって理由も前触れもなく、彼女を見ると急に心臓がドキドキとなる。

    「どーかシマしたカ?」
    ファウストが心配するので心臓が、と言ったらものすごく目を爛々とさせてきたので本能的にはぐらかした。たぶんなあ、そういうのではないと思うんだ。
    だからまん太にも聞いてみたら、なぜか2メートルくらい離れられて、そこで大きなため息をつかれた。
    「きみ…本当にそういうとこだよね」「ていうか今更?はぁー、ま、きみにも普通の男子中学生っぽさがあって安心したけどね、むしろ」
    とか言って、結局は変な笑顔で言葉を濁された。
    たまたまその場に居合わせたホロホロは普段の勢いで面白い話かと耳を寄せてきたが、まん太の説明を聞いた途端げんなりとした顔を見せた。
    「あのなぁ、葉。俺はお前のこと好きだし尊敬してっところもあるけどよ、そーいう鈍感さは、人を傷つけることもあるんだぜ」
    と、おおよそマジっぽい調子で言われてしまい、これにはさすがに、むぅ…となった。

    ところでそろそろ午前中の特訓が終わる。死に体の竜はポンチ・コンチに蹴飛ばされている。ファウストはエリザの骨を撫でながら恍惚とした笑みで食堂へ向かい始めた。竜を転がし始めた2匹に気づいたたまおがアンナの元から慌ててやってくる。「こらっ2匹とも!」「俺たちゃ暇なんだなんとかしろ」「そうだなんか寄越せよパ◯ツとか」と下卑たにやにや笑いを浮かべたところにバカでかい霊気がぶつかってきて彼らは粉々になった。「五月蝿い」とさして興味もなさそうに一瞥くれたアンナは前鬼後鬼をさっさとしまうと建物の間の狭い通路に入っていった。「先に休憩行っててくれ」オイラはそう言ってアンナの後を追った。薄暗いそこは人がすれ違えないほど狭くて、案外すぐに追いついた。追いついて、手首を掴むと、小さな体がビクリと跳ねた。何か言う前に彼女の顔の位置まで屈んでキスをした。心臓が、先程までの特訓とは比べ物にならないくらい熱く、速く、打ち始める。
    「…なに」
    「……補給」
    暗がりの中でもはっきりと見える瞳はキラキラと光を宿していて、それでいて感情の読めない深さも湛えている。ギュウっと、心はそこにあるんだと言わんばかりに胸の辺りが苦しくなる。ああ…これだ。ずっと知っていたはずなのに、最近なぜかこの瞳を覗くたびに焦りを覚える。鼓動が速くなる。まるで初めて、彼女に恋したみたいに。
    「…また、そんなバカなこと言って」
    照れ隠しというより本当に呆れているような声音で、アンナは言う。もしかしてと思うが本当に。
    「呆れてるのよ」
    両手を腰に当て、キツく見上げられる。
    わかってる。だいぶ、バカなことしとるって。けど止められないんよ。ノルマが終わって銘々がくつろぎ始める。アンナが1人になる、オイラも自由になる。そうしたらなあ、気がついたら目が探してる、足が動いている。そこにおまえがいたら、くっつきたくなる。そうでもしないと心臓が、
    「…おさまらないんよ」
    そう言ってもう一回、くっつく。殴られるまで、何度でもそうしていたい。何が何でも。誰に笑われようとも。ああ本当にバカだ。まん太にもホロホロにも呆れられとる。わかっとる、ん、だが。
    「…だから!昼間っから何考えてんのあんたは!」
    暗い路地にパァンと乾いた音が響く。痛いんだが。その前に触れた唇が甘かった、なんて。そんなことばっか頭に残っとるなんて、オイラは相当に、何かどうしようもない病にやられている。


    アンナがオイラに惚れてるなんて、自惚れでなくても周知の事実だったのは「ていうか今更?」なのだ、本当に。その関係にずっとあぐらをかいていたのは自分だし、ホロホロが本気で忠告してくるのも耳には痛いが事実だ。
    だから今になってこんなに初々しい感情に振り回されることになるとは思わなかった。まるで初恋だ。そんなもんはとうの昔に経験済みだと思っていたのに、違った。身も蓋もない話をしてしまえば、まあ、そういう関係を持ってしまったのが、決定的なきっかけだったわけだが。
    白い肌も吸い付くような柔らかいあちこちも誘うように湿っている奥の部分も。
    言い出したらキリがない。けれど純粋に、思う。何をどうしても意地っ張りな、弱いとこなんて普段一切見せないアンナが、全部手放して縋ってくる、その腕を。押し殺していたはずの感情が隠しきれなくなって溢れた涙を。言葉とは裏腹にオイラを絡め取っていく、甘くて官能的な声を。
    そういったものを求めて、1日の中、ふとした瞬間に落ちてしまう。心地よい関係の底にある、静かで熱い、落とし穴に。


    「だからって夜に来られても邪魔なんだけど」
    その、自他共に認めるオイラに100%惚れとる許嫁は、本当に煙たそうにそう言った。いや、いや。これはこれで、安心するもんなんだが。
    「誰かさんがビリビリに破いたシャツとか、短くなったズボンの裾直しとか」
    手元の針から目を離すことなく言い捨てる。そうかあ、全部オイラのだな、なんてきゅーんとしていると、ますます嫌そうに顔を顰められる。
    「…うん、なあ。それ今日やらんといかんのか?」
    「もち」
    「……それ昨夜も言ってたよな?」
    「そうだったわね」
    「……一昨日もじゃねーか?」
    「仕事を増やしてくる亭主がいるのよ」
    困ったものね、どこのどなたかしら。そう言って、ひたすらチクチク、アンナは手元を動かす。一昨日は黙って見てるうちに寝ちまって、夜中にシーツごと放り出された。昨日は視界に入ってみたり腰に腕を巻き付けてみたり多少…強引に、気を引こうとしたところ布団針で手の甲を刺された。なんで布団針まで持ってきたのかはわからないが。
    さて今日はどうしよう、と考えて、たいして何もできないのでベッドに寝転がりゴロゴロする。「ちょっとそれ枕代わりにしないでよ」と目敏く指摘されてあの、古文書のようなアンナの教本を傍に避ける。チクチクチクチク、視線はずっと手元の布で。こっち向けよ、と、きれいな横顔を眺めながら心の中で唱える。もちろん、無視される。

    「ーーー葉?」
    いつの間にかアンナが、耳元で名前を呼んでいる。さっきまで知らんふりしてたのになー、と、拗ねた心で無視する。
    「寝たの?……また、なんだってあんたは…」
    はぁ、と、小さくため息をついてから、やがてふわりと布団をかけられた。
    「寝ちゃったなら、仕方ないもの…」
    そう言って、オイラの背中の側に入り込んでくる小さな身体。何度か位置を変えてモゾモゾして、それからやっと安心したように両手を背中についてーーーきたところで、振り向いた。
    「きゃっ…な、なに、急に……ちょっと葉!」
    「寝とるなんて言っとらんぞ」
    突然のことに慌てるアンナの身体をしっかり抱いて、そのまま翻して布団の上に仰向けにする。
    「仕事、もうひとつ増やすけど」
    「……いやよ」
    アンナは首を逸らして拒んだけれど、そういう仕草がますます、とかいうのは男の勝手な欲なんだろうか。
    「…もう少し、自覚してくれんか。頼むから」
    「…何が?」
    怪訝な顔でこちらを窺ってくる。純粋そのものの双眸に、一瞬躊躇ったが。
    「オイラがおまえに惚れとるってことに。触れたくて許されたくて、狂いそうになっとることに」
    「……よ…」
    う、と言い切る前に口を塞いだ。ほら今だって、こんなに無防備。おまえは自分に向けられた感情に、いつだってあまりに無頓着。
    どこまでどうしたら、オイラのこの気持ちを全部受け止めてくれるだろう。与えることは得意なくせに、貰うことは苦手なアンナは。
    とりあえず与えられるだけ与えてみるか。
    そう決意して、手始めに彼女がいちばん弱いところに、小さくキスをした。



    【終】
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