運び屋の誕生日「アイリスさん、お誕生日なんですよね。わたし、いっぱい考えて……これがいいかな、って思ったのです。受け取ってくれますか?」
その言葉と共に差し出されたんは、少し大きめのうさぎのぬいぐるみやった。黒い毛並みに青い瞳の、ふわふわの子。
「え、えへ……一目見た時に『似てるかも!』と思いまして……。もしよかったら、わたしだと思って可愛がってほしいのです」
「へえ、ほんまにええん? そんなん言うて」
「?」
ぱやぱやとした顔からは、警戒心もなんも感じられへん。それに苦笑しつつ、ぬいぐるみを抱きしめた。
「ありがとうなあ。大事にするわ」