Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    そまふみ

    @somahumi_though

    イラストまとめとかSSとか。センシティブなのもあります。夢、書いてる、ヨ。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💕 😘 🎂 💯
    POIPOI 61

    そまふみ

    ☆quiet follow

    弊社ジュ駒だよ~スラム育ちで傷だらけの女の子と、ドブ沼からのし上がった結果傷が増えた社長のお話

    #イケメンヴィラン
    #ジュード・ジャザ
    #ジュ駒

    違う場所、同じ痛みを ワードパレット14:【お揃いの傷跡】このままでいい・無言・あふれ出す

     ジュードさんは、わたしの小さな傷すら許してくれない人だ。ベッドに入るたび、ひとつひとつなぞっては嫌そうな顔をする。
    「あの……えと、ごめんなさい……」
     いたたまれなくなって謝ると、「お前が言うことちゃうやろ」と苛立ちながら言うので、わたしも何も言わなくなった。
     でも、このままでいいのかもしれない。自分の感情に無自覚で、その上素直でない人だから、きっと気づいていないだろうけれど。その目はあまりにも、苦しそうで──ほんのすこし、嬉しくなるのだ。

     シャツを脱いだジュードさんは、わたしとは比べ物にならないくらい大きな傷跡がある。三日に一度は刃傷沙汰になる人だから、仕方ないといえば仕方ないのかもしれない。それを無言で触れて、少し眉を寄せる。
     こんな傷を負うような立場にならなきゃいけないほど、この人は追い詰められていて。それを、きっと表に出すことはないし、同情なんて必要とはしていない。けれど、その痛みを想像することくらいは、許してくれるだろうか。傷ついたあなたの手当てくらい、させてはもらえないだろうか。
    「……人の肌触りながら何考えてはんの」
    「んぇっ。な、なんでもないです」
     きっとこんなこと言ったら、叱られてしまう。「お前に頼らんでも生きてけるわ」とか、そんなことを言われるに違いないのだ。
    「ただその……いたそうだな、って……」
     この肌から、真っ赤な血があふれ出すところをどうしても想像してしまう。痛くて苦しくて、でもこの人は涙一つも流さずに……それが本当に強いことなのか、わたしにはさっぱりわからないけれど、でも痛いことに変わりはないはずなのだ。
    「もう治っとるわ。お前が気にすることやあらへん」
    「でも……」
    「…………はぁ。ほんなら気ぃ済むまで触れとったらええわ。俺は寝る」
     つまらなさそうにため息を吐いて、ジュードさんは寝転んでしまった。でも、拒否も怒られもしなかった。もしかしたら、言っても無駄だと思ったのかもしれないけど……。
     ──どうか、痛みだけは、わたしとお揃いでありますように。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤😭😭
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    shake_yoko

    DONE📿
    キスをしながら色々考えてしまう夢
    空却くんとキスをしながら色々考えてしまう夢 ソファの真ん中に座ってスマートフォンを触っている空却と、その下のローテーブルでスマートフォンを触ってる私。空却は動画でも流しているのか、誰かの声や何らかのBGMらしき音が聴こえる。自分の手元の画面を見るのにも飽きて空却を向くと、じっとスマートフォンを眺めている。

    「空却」
    「んー?」
    「ちゅーしたくなった」
    「……んじゃこっちこいよ」
    「空却の右側と左側どっちに座ったらいい?」
    「どっちでも良いから早く座れよ、拙僧もしたくなった」

     要望を出したら乗っかって同調してくれた。やった。適当に隣のスペースに座る。空却も空いてる側へ寄って二人でくっつく。空却を向いて目を合わせて、緩んだ口元を見てから目を閉じる。空却の唇が触れた。空却とキスをすると空却の唇って柔らかいんだなあと改めて思う。短い髪のつんつんした毛先も、私よりよっぽど分かりやすく現れている筋肉も、身に付けている装飾品も、外見的な特徴はどれも硬さをイメージさせるのに、唇に触れればこんなにもふにっと柔らかい。たまに指で空却の唇を触ることもあるけど、指よりも唇で触れたほうがより柔らかさを感じる。
    1477