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    モブスケ

    右千置き場

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    モブスケ

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    ※黒千千
    ※謎時空 ゆるふわ設定

    自分と違うのは髪の色だけ。それ以外は身長も体重も声色も視力も全部同じ、写見だ。
    不思議なものだなと思いながらその横顔を眺めていると、瞳が千空の方へ流れ、目が合った。

    「人の顔観察して楽しいか?」
    「ぁ、興味深くはあるな」
    「テメーの顔と一緒だろ、鏡でも見てろ」

    嫌そうに眉を吊り上げる所も、手で追い払う仕草も、きっと千空自身も無意識にやっていることで。
    こんなにも同じなのに、別の個体として存在しているのが不思議だった。
    少しの間2人で沈黙する。視線は互いに外さないままだ。
    同じ彩度の赤い瞳が千空を映す。自分よりも、黒髪の男の中にある方がより鮮やかに見えて、手を伸ばしたくなる。と思っている間にも自分の指先が動いていたことに気づいて、千空は小さく笑った。

    「テメーの目の方が、俺のよりずっときれいに見えるな」
    「!?」
    「…いや待て、今のはナシだ、忘れろ」

    心の中で呟いたはずの言葉が口から出ていて、一気に顔が熱くなる。目の前の赤い瞳も揺れて、珍しく面食らったような顔をしていたが、千空が必死で言い訳を探している間にその唇は弧を描き持ち上がった。

    「おい」
    「だから、忘れろって…!」

    そう言いかけた瞬間に、首根っこを強く掴まれて2人の距離が詰まった。
    鼻先が触れ合う。湿った熱い息が肌を撫でる。それだけで身体中がぞくぞくと粟立つのがわかった。
    ぐつぐつと沸き立つように鮮やかな色に縛られて、瞬きをするのを忘れてしまいそうだ。

    「随分とお可愛いこと言うじゃねえか」
    「待っ、ぅ、」

    制止の言葉をかける前に覆われるようにして塞がった唇に、ぐっと千空の眉が下がる。舌がぬるりと入り込んできて、狭い口腔内を擦る。
    はふ、と隙間から息が漏れるが、溺れるように苦しい。舌と舌が唾液を纏わせて絡まれば、苦しいだけではない疼きが千空の背中を這った。

    「は、ぁっ…あふ、」

    どんどんと拳で胸のあたりを叩くと、ゆっくりと唇が離れる。頬をべろりと舐め上げられて、思わず目を強く閉じた。

    「これはテメーが悪い」
    「はぁ、はっ…あ?」

    なんとか呼吸を整えようと激しく上下する胸を抑える千空を射抜くように見続けている赤は、欲に濡れてさらに艶を増した。
    掴まれたままの首に、ざらついた指先が食い込む。囚われたように動けない千空が、瞳に映って同じ色に染まった。

    「今日は声出なくなるまで鳴かせてやる」

    不敵に笑ったその顔に悪態をつこうとしたのも束の間、ぐっと身体を押されて、千空の視界が反転していく。
    なんの気遣いもない、それなのに確実に身体を蝕むようなあの痺れを欲しがる本能が口の中で溢れて、無意識に喉仏が上下した。

    やっぱり、その赤い目は自分よりもテメーの中にあった方が似合ってる。

    馬鹿げたことをまた考えて、千空は含み笑いをこぼした。
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