NG大賞「お前、このまま伏黒が術式使えなくなって呪術師やめることになったらどうするつもりだ?」
突然の質問にパチクリと瞬く。
「どうするって、そりゃ……」
「術式が使えなくとも禪院の血だ。高専から追い出されたあの子がその後どうなるかなんてお前が一番に知ってるだろ」
「…………」
恵の今後について考えたことが無かったわけじゃない。ただ、まだ大丈夫だと楽観視していた。恵は聡い子だから。きっと自分の置かれている立場を理解出来るだろうと。
けれど。
「禪院の血を残す為に繁殖犬よろしく家に閉じ込められひたすら宛てがわれる女の相手をさせられるか、最悪次期当主に始末されるか……」
「そんなの僕がさせると思う?」
「でもそうなるんじゃないか? あの子が相伝の術式を無くしてしまえばお前が後見人でいる理由もない」
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