※ケーキ屋のおじさん視点
※流川家捏造しています
「もうそろそろかな」
今日は12月30日。年内の営業は今日で終わる。多忙で狂いそうになったクリスマスは終わったし、世間はすっかり正月に向けての準備で忙しいため、この店もゆったりとした時間が流れていた。
その時、あるお客さんを思い出していた。
近所に住む、流川さんちの楓くん。
昔から、誕生日に同じケーキをずっと買いに来てくれる常連さんだ。
お姉さん、お兄さんがいて、一番下の子が楓くん。
一月一日がお誕生日。だけど正月はどこも洋菓子店がやってないので、前倒しでお祝いしているとのこと。
うちに買いに来てくれるお客さんもその日生まれの子は少ないし、お正月かつ、男の子で"楓"という名前も珍しく、そして何より、近所でも評判の美丈夫だったのでよく覚えていた。楓くんと同級生の上の子から、学校に私設のファンクラブまで作られていると聞いた時は驚いたけと、すぐに納得した。とにかく印象に残る子だったのだ。
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