カストラートのお歌の先生(アダアダ)アダムの人力を作りかけていたファイルを誤って初音ミクのソフトで起動してしまった。
「…マズったなぁ……」
まぁ、良いか……初音ミクオとか言うのも居るみたいだし……それで行こう。
「…ますたぁ、はじ……みぇまちて……」
…はい
「ましゅ……?ますたぁ」
いや、調声以前に発音悪くないかコレ。
本人ヘラヘラしてて、自分が舌っ足らずと言うのを知らないな。
アダムの人力用に作りかけていたファイルがバグってたか……
とりあえず歌わせてみても、うん……発音の悪さが目立つ。
さ行が「ちぇ」や息が漏れてるような音に聞こえるし、発声がままならないのか?
「ましゅたぁ……ごみぇんにゃちゃい……」
──パシン…ッ…
思わず頬をぶったが、ソイツは泣くのをグッと我慢した。
「おりぇに……うちゃあしてくらしゃい!」
歌いたいと必死に言うが舌っ足らずが直らず、何度も手を上げた。
周りのボカロPは調声も滑らかで簡単に行くのに、コイツは発音も悪く歌っても幼稚園児レベルだった。
色々とパソコンを触っていたら……ウイルス警告が発覚して、その中に「初音ミク」があった。
どこかで初音ミクのソフトがウイルスに感染したらしく、そのソフトごと初音ミクをアンインストールした。
────
「初音ミクコラボにアダムが来るのか……」
「引くのですか?」
「もちろん、頼んだよ。」
アタッカーはアダムだけだから、そのカラバリも欲しかった。
まぁ、大枚積んできてもらったが……来たミクダムの腕には古い痣があった。
袖で隠れるか隠れないか位の……
「アダムと申します。
以後、お見知り置きを。」
「…この魔剣……氷じゃないですね。」
アダムが来たばかりのミクダムの魔剣の査定を始めたが、あの痣……まさか……
『ごみぇんにゃちゃい……ごみぇんにゃちゃい……』
ふとウイルス警告が発覚して、消してしまったあの時のアダムと初音ミクのMIXVOCALOIDを思い出してしまったが……。
ちゃんと喋れてるから違うと思いたかった。
「…アダム、ミクダムを案内してやってくれ。
俺は依頼曲を作るから。」
「了解しました。」
アダムに任せていれば大丈夫と思い席を外した。
───
ますたぁ……嘘だ……プレイヤーは何人もいるはずなのに、どうして俺を産んだますたぁの所なの
「…よし、じゃあ案内を…ってどうしてそんなに怖がる?」
「あっ……ごめんなさい。
つい、また殴られると思って……」
また手を上げられたらなんて考えてしまう自分は臆病なのかもしれない。
幸い顔に傷が残らなかったが、身体には残ったから……隠すように腕を握れば彼は優しく俺の手を取った。
「来たばかりのレディに手を上げませんよ。
事情は聞きません、ゆっくり克服しましょう。」
優しい…この人は……どうして初対面なのにこんなに優しくしてくれるんだろうか。
でも……優しい振りをしてるだけでまた慣れた頃に暴力を振るうんだろう。
『お前みたいなクズ、ボカロの恥さらしじゃないか』
『ごみぇんにゃちゃい……おりぇ、歌いたいにょ……』
『出来損ないに渡す歌はねぇ!』
罵声と暴力の記憶しか無い自分には目の前の彼も同じだと思った。
頭が痛い……歌いたくない……歌ったらまた……殴られる。
「…ひっ……触らな…で……」
「やはり顔周りは怖いですか……」
やたら俺に触れようとするから、手を振り払うつもりだった。
「あっ……」
手を振り払った拍子に顔を引っ掻いてしまい、一気に身体中の体温が下がったのに気付くが、そのまま目の前が真っ暗になってしまいました。
───
温かい……柔らかい……
「うっ……」
「おはようございます」
ティーカップを持ち、傍らに置かれたイスに座る彼が運んでくれたのか…?
「ここは……」
「貴方の部屋です。
傷は痛みますか?」
傷…?もしかして身体の痣のことを指してるのか?
「…痛くないけど……頭と胸が痛い…っ……」
「…多分コンパスヒーローとして、変換された時の痛みですよ。
俺も最初はそうでした。」
目を伏せながら話す彼は堂々としていて、カッコイイと思うのに今の自分は情けない……よな……。
そういや……この部屋いい匂いがして、落ち着く……。
「…今はゆっくり休んでください。
来たばかりで色々混乱してるだけなので。」
手は怖いと言わなくても、察していたのか額にキス……/////
彼が部屋から出ていくと、やたらと心臓が早鐘を打ち痛くてたまらなくて……。
ベッド際に何故か置かれたバケツを使って吐いた。
もう吐くものは何も無いくらいまで吐いたのに、抱きしめて欲しい。
怖い…
ドア向こうから足音が近付いてくる、吐いたばかりでクラクラするし……今の自分はバケツを下ろすのが精一杯だった。
足音が部屋の前で止まり、警戒しようと思ったがドアを開けた人物を見て少し安心した。
「…ご飯お持ちしましたが……顔色が優れませんね……」
「…助けて……訳……わかんない…」
持っていたトレーを机に置き、彼は目の前で
自分の着ていたコートを脱ぎ、そのまま着せてくれた。
「…冷やすといけないから、暖かい飲み物をお持ちします」
やだ……そばにいて欲しい……と無意識に離れる彼を掴んだら服の裾を持ったらしくため息をつかれた。
「…どうしました」
「…やだ……そばにいて欲しい……」
彼にも仕事があるとは解っているのに……今は彼の温もりが欲しかった。
「…嫌なら、前みたいに拒絶してください。」
「…分かりました」
ネクタイを解かれ、手袋を外した彼の指がシャツのボタンを外していく。
「……手袋、外して大丈夫……」
「あぁ、今は大丈夫ですよ。」
自分が何をされるかなんて何となく想像はついたけど……彼が居るなら大丈夫と言う安心感はあった。
「……っ……」
彼の指が、胸の突起をキュッと摘めば甘い電流のようなものが身体を走る。
「…胸、柔らかいですね……」
「…っ……あっ……そんにゃ……引張りゃな…っ」
胸を揉むように手で包み込まれ、乳首を指の間に挟むように刺激されれば俺…初めてなのに……この人の触り方…慣れてる?
気付いたらズボンも下着ごと脱がされていて、膝を折る形にされていた。
「…コレは……」
「…引きます……よね……」
「いいえ、可愛らしい性器ですよ。」
えっ……待っ……
そこはおしりの穴だから汚いんじゃあ……
「…っん」
何で……舌が入って…
ねっとりとした生暖かい感触がして時々吸われたり卑猥な音を立てて胎内を蠢かれ、恥ずかしいのに……舌を挿入され捲り上げられるような感覚にゾクゾクして、こんなの……知ってしまったら後戻りなんて出来ないじゃないか……。
「…あっ……おひり……ふやけちゃ……っ」
舌を抜き差しされ、時には吸い上げられシーツを握りしめながら与えられる快感に耐え抜いた。
「…あっ……ひぃぃぃぃ
おひりのあにゃ……しゅっちゃ…らめぇぇ!」
ジュルジュルと卑猥な音を立てながら中を押し拡げられ、それでも彼を拒絶出来なかった。
「…これだけ解れれば大丈夫でしょう」
「んは……あぁっ…」
ぬるりと出ていく舌に名残惜しさを感じていたら下半身にものすごい質量の物が宛てがわれる。
「…えっ……何…」
「…欲しそうにパクパクして、可愛らしいですね……。
今なら止めれますが、どうしますか?」
散々舌で弄ばれた尻穴が熱く、入口付近に宛てがわれた熱が欲しくてたまらない。
「…止めな…れ……」
「分かりました…最初は痛いですが、慣れれば痛くないですよ。」
パクパクと口を開閉する穴にゆっくりと入って来る固くて脈打つ肉棒。
「あぎ……おひり……壊れりゅうぅぅ」
メリメリと音を立てて飲み込まれていく肉棒の質量に目を見開きながらもこの快楽からは逃げられなくて、
「…くっ……キツ…っ……」
時間をかけてゆっくりと中に沈んで来る質量、向かい合う顔の主は苦しそうでそれでも彼を拒絶する事は出来なかった。
「んぎっ……」
「すごい…全部入りました…っ……」
お腹を圧迫するような質量に、中で脈打ちながら内壁を擦って頭が真っ白になりそうなくらいまでずっと体中に電流が駆け抜けている。
「あっ……そこぉ…っ」
「…くっ……ココ、トントンしちゃダメですか?」
「おかひくにゃりゅかりゃ……怖い…」
喘ぎながら怖いって言ったら抱きしめてくれながら、唇を重ねてくれた。
足を彼の背中に回しながらお互いに獣のように貪り合って、一生懸命に打ち付けられる腰も薄くて絡ませやすい彼の舌も全部自分を興奮させてくれる。
彼の肉棒に何度も胎内を捲り上げられながら身体の奥の奥で熱を放たれ、何度もイかされて何も出なくなるくらいまで来た。
「…はぁ……はぁ……」
「ごめんなさい、がっつき過ぎました」
繋がったまま謝罪されても、俺の中は彼に食いついたまま離れようとしなかったからクスクスと笑っていた。
「どうやら、俺達は相性が良いみたいですね。」
「あっ……またおっきくなったぁ♡♡♡」
───そのまままた彼に抱き潰されるんじゃないかってぐらいまでSEXされた。
ズルリと彼の肉棒が引き抜かれた時には外気に当てられた媚肉がパクパクと口を開け閉めしながら白い蜜を零す。
「…オリジナル…何で…貴方は……俺なんかを抱いたのですか?
貴方、モテるでしょう。」
そうだ、こんなカッコイイのにモテないはずがないんだ。
だってコート着せてくれたり吐いてたら背中さすってくれたり、それに…SEX上手いし…。
「……それは貴方が可愛くて、仕方ないからですよ。」
クスクスと笑うその笑った顔にドキッとしてつい目を逸らしたら顎を持ってキスをされる。
この人は俺の恐怖を理解し、そして受け入れてくれた。
「この痣、見えないように包帯を巻きましょう。
他の方に見られては心配されてしまいますからね。」
腕に残された痣に包帯を巻いてくれ、その上に初音のタトゥーを入れて誤魔化すようにしてくれた。
初対面なのに……体許してしかも……しかもレディにされてしまって……/////
「あ……コート……汚してしまいましたね」
「それは貴方が部屋着にしてください。
明日ソーンのズボンを取りに行くついでに縫製担当の方に貴方の服の袖丈も長くしてもらえないか聞いてみます。
ココには訳ありの方が多いですからね。」
…やはり、オリジナルは優しくて温かくて自分に親が居るならこんな人なのかなって思ってしまう。
他の傷は治ったのに、この痣だけはウイルスの影響で残ってしまったからずっと着いて回る。
「…貴方の呼び名、ミクでいいですか?」
「…あ、はい……。」
「…これから、同じ部屋に住む者としてよろしくお願い致します。」
「…よろしく……お願いします……」
余韻に浸りながらオリジナルが着せてくれたコートを握りしめて枕に顔を埋めた。
❦ℯꫛᎴ❧