「ねえねえ、御手洗くん」
「なんですか? 真経津さん」
肩を叩かれて振り向くと、僕の頬には真経津さんの細い指が突き刺さっていた。
「にゃにするんでふか」
「御手洗くんで遊んでる」
「あしょばないでくだひゃい」
「えーどうしようかな」
真経津さんは指を離した後、楽しそうに、僕の頬をつまみ、そのままぐりぐりと弄り始めた。口では悩みながらも、行動は全く伴っていない。
「御手洗くんほっぺた柔らかいね~」
「ひゃめてくだひゃい」
「しょうがないなあ」
真経津さんは名残惜しそうに頬をぐるりと一周回してから、はい! とその手を離した。ひりひりと頬が痛む。僕は軽く真経津さんを睨んだ。
「なにするんですか」
「御手洗くんで遊んでた。もう満足」
「そうですか……」