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    tekuro99

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    異世界BLと同時進行で書いている百合小説
    出来ているところまで
    ※1行目から人が死んでいる

    Sの告白「だから、殺しました」
     悪びれた様子もなく、女は言った。
     その言葉に思わず篠塚は頭を抱える。刑事という職業柄、犯人が語る動機をいくつも聞いてきた。中には冗談だろうと笑い飛ばしたくなるものも沢山あった。正直、その手の言い分には慣れている。しかしたった今、女の口から語られた動機はそんな篠塚の度肝を抜いて見せたのだった。
     ことの発端は数日前に遡る。殺人の容疑でひとりの女が逮捕された。
     女の名前は芹野静といった。彼女は自宅で友人である横沢栞を殺害した。「人を殺しました」と、通報したのは静自身だった。警官が現場に駆けつけると、横沢栞の遺体の横で、静は座っていたのだ。
     祈りを捧げるように、別れを惜しむように、ただそこに座っていた。現場に踏み込んだ警官のひとりはそう報告した。人を殺してしまったショックで茫然自失になっていたわけではない。人を殺した後だというのに静は警官の問いかけに、いやに冷静に返答したのだそうだ。
    ――通報したのはあなたですか。
    ――はい、私が殺しました。
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