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    tekuro99

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    tekuro99

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    思いついたのでとりあえず書いとけというレノフィガ。
    フィガロの独白
    ※中盤に置く文章なので前後繋がりはない
    ※一瞬犬バラッドに触れてる

     二千年の人生の中で得たものより、切り捨てたもののほうが多いように思う。
     去る者は追わず――いや、むしろ去られる前にこちらから去る、というのが常だった。
     それが己の心を守る最善の方法だと信じていた。別れを後回しにすればするほど傷は深くなる。どうせ別れることになるのであれば早いほうがいい。そうに決まっている。 
     愛着が無いわけではない。けれど全てを投げ売ってでも守りたいほどのものでもない。それだけだ。
     己が何かを捨てて物事が丸く収まるのであれば、それでいいじゃないか。今手放さずに済んだからといって、それがこれからも永遠に有り続けるという保証もないのだから。
     フィガロの思考の根底には、そういった一種の諦念じみたものが確かにあった。
     愛し子をあるべき場所に返した男がどうなったか。仕えるべき主が姿を消した従者がどうしたか。フィガロはよく知っている。
     彼らの姿を見て抱いたのは、恐怖と羨望だ。
     ここまで掻き乱されるのかと思った。ここまで掻き乱すことが出来るのかとも思った。
     
     ああ羨ましいなと、そう思った。
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    DOODLEイチャイチャ×ヒルビリー×都市伝説。アメリカのど田舎のお巡りさんコンビ、40代の自分をおじさんって言うタイプの先輩×20代のスカした後輩
    【スリーピング・デューティ】恐るるべき子供 知り合ってすぐの頃、と言うことはまだリグレーが高校生の頃だが、マルボロが写真集を貸してくれた事がある。
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     マルボロはリグレーが法定年齢に達するまで手を出さない代わり、色々な知識を授けてくれた。例えばモータウン・サウンドの素晴らしさとか、コミックが原作ではない映画の面白さとか。

     半世紀以上前に活躍したカメラマンの業績についても、学びの一環として教示しようとしたのだろう。当時のリグレーが知る女性のポートレイトといえば、スポーツ・イラストレイテッドに月替わりで掲載される裸体が関の山だった。どれだけページを繰っても、淑女達はビキニのトップスすら外そうとしない。と言うか、そもそも水着写真がない。この乙に澄ましてオートクチュールの服を身につける、鶴のように細い淑女達の一体何が良いのだろう。ショッピングモールまで車で3時間走らないと詣でられない田舎のティーンエイジャーがそう考えるのは、ある意味当然の話だった。
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