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    tada_00_

    @tada_00_
    自分用書きかけ倉庫。何の手直しもしていない、いつか書けたらいいなの健忘録。ぶつ切り。その他。

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    tada_00_

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    めぐゆじ。

    脹虎じゃない。

    同棲してるくさい。

    謎時空。

    短い。

    2022.6.16

    淡い世界でどこまでも深く「俺がいなくなったら、伏黒はどうする?」
     何でもないように虎杖がそう言うと、伏黒はフッと顔を上げた。
     穏やかな優しい風が吹く、六月半ばのことだった。木漏れ日が差し込む、窓の大きな部屋。白い薄いカーテンが、開け放った窓から入り込む風に吹かれてぶわりと大きく揺れていた。
     そんな中で二人、紺の四人掛けのソファーなんて見向きもしないで毛足の長いカーペットの上に陣取っている。胡坐をかいて座る虎杖の、固く筋肉のついた太ももにツンツンとした黒髪を乗せて寝転がっていた伏黒の、平和で穏やかだった至福のひと時に一筋の淡い影が落とされた。
     昼に近い時間であったのと、冴えわたるようによく晴れた空のおかげでその部屋はいっぱいに光を取り込み、真っ白い壁と淡めの茶色いフローリングがそれを反射させてキラキラと輝いているように明るい。暑くなってきたからと、白い無地のTシャツにベージュのチノパン姿の虎杖はとても爽やかで暗い影など何一つないように見えた。青く茂った若い葉は段々と色を濃くしてきて、ゆらゆらと部屋の中に少しの日陰を作っている。キラキラと輝いているのは太陽の光ではなくむしろ虎杖の方だと勘違いしそうなほどに。
     そんな梅雨の気配を未だ感じさせない爽やかな午前にぽつりと落ちた優しい声は、部屋の隅にじんわりと溶けていった。
     相も変わらず優し気な顔をする虎杖の微笑みに、らしくないな。なんて頭の隅で思って伏黒はまた頭の位置を調整した。ちょうどいい位置を見つけると、そっと目を閉じて独り言のように呟く。
    「別に構わない。どうせすぐに見つける」
     それこそ何でもないことのように伏黒はそう言う。そして気持ちのいい風とあたたかな日差し、そして唯一心に留まることを許した愛しい体温を感じてゆったりと微睡へと落ちていく感覚に身を委ねた。少しだけ揺れた愛しい体温が、そっと己の頭を撫でるのが心地いい。
    「ふ、どうやってだよ」
    「どうにかしてだよ」
    「なん、それ」
     クスクスと笑う声に合わせて虎杖の体が微かに揺れ動く。それさえも虎杖が与えるものだと思うと悪くはないと思えるのだからどうにも笑えてしまった。
     その、憎しみすら込めて微睡む意識の中で伏黒はそれでもはっきりとした声で恨み言のように、けれども愛をこめて言葉を贈った。
    「もう俺はお前なしじゃ生きていけないんだ。そうした責任を、お前は取れよ」
    「自分勝手だなぁ!」
     そう言って大きくなる虎杖の声は笑いを含んでどこか甘く響く。
     脳みその奥まで染み込むようなその柔らかな響きに伏黒の意識はますます溶けていく。自分がただ一人と定めた手が緩やかに緩やかに優しく頭を撫でる。その心地よさに世界はどんどんと遠くなっていった。
    「じゃあ、必ず見つけてな。待ってるから」
     意識の外に少年の時のままの声が響く。それに答えられるほど感覚は研がれていない。それでも声は聞こえているから、重い口を開くよりももっとずっと強い意志で手を伸ばした。それが皮膚の固くなった、伏黒よりも少しだけ大きな手に触れた瞬間にギュッと握られる。その固く少しだけ汗でしっとりとした手の感触に虎杖は幸せそうに笑った。
     今後どんなに逃げようとも、きっと彼は自分を迎えに来てくれるのだろうとわかっていたから。
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    ❤❤❤
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    tada_00_

    DONE #お兄ちゃんワンドロ

    お題『吸血鬼』
    心持ち脹虎。
    吸血表現あり。
    生まれ変わり。
    吸血鬼だけど日本。あと、勝手に血の代用品捏造。
    心が広く、なんでも受け入れたるぜ!という頼もしい方のみお進みください。

    ここを使って投稿するの初めてなので何か不作法してたら申し訳ありません。
    芳しき血の香り 町外れと言うよりは、もはや森の入り口というような所に薔薇の花に囲まれた一軒の日本家屋があった。それは大層立派な屋敷で、広い平家に広大な庭まであるいつからそこにあるのかもわからないほど古い家だった。家の周りには生垣の代わりに真っ赤な無数の薔薇が、まるで侵入を拒むように密に植えられている。日本家屋と言ったら桜やら松やら椿やらそういったものの方が似合うのではないかとは思うものの、不思議としっくりとその場に馴染んでいた。
     そこにはその屋敷に見合うように旧華族だから武家だかの由緒正しき末裔が住んでいるとかで有名だったが、住人の姿を見た者は誰一人として居なかった。そんな曰く付き、みたいな立派で古い屋敷など好奇心旺盛な子供や若者には格好のアトラクションで。よくはないことだと分かってはいても不法侵入を果たす者はぽつりぽつりと後を絶たなかった。そうすると決まって行方不明になったり、運のいい者は帰ってきたりもしたものの記憶をなくしたりと不可解なことが起こるので次第に誰も近寄らなくなっていた。確か、帰って来られた者の共通点は家の長子ではない。とかであった気がするがあまり関係もなさそうだと、人々は無事とは言えなくとも怪我もなく戻って来た者の所以に首を傾げていたが。それでもいつしか長男長女は特に近寄ってはならないとその地域では伝え聞かされるようになった。
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