現代遠征中に人間を見守る神様ムーブする話帰るぞ、と声がかかってソハヤは顔をあげる。座っていたブランコの鎖が不安定に揺れた。
17時の鐘が鳴ったが、陽が長くなった公園にはまだ子供たちが元気に遊んでいた。親が迎えに来る子も居たが、夏休みに入った子供たちは大半許されているのかまだまだ帰る気配がない。
スーパーの袋を持った光世がソハヤに声をかけてきたのはそんな子供たちを見ていた時であった。子供たちより早く迎えがきたなと、ソハヤは思って笑う。少しくすぐったかった。
猫背の大男が夕飯の食材を待っている様は家庭的に見えて微笑ましい。長葱が飛び出ているのだってご愛嬌だろう。
ソハヤはちょいちょい、と手招きして自分の隣の空いたブランコを指差す。視線は少し遠く、目の前で遊んでいる子供たちから離さないまま。彼の意図が読み取れて光世はゆっくりとした動きでブランコに座る。子供用の高さのソレは長い足を持て余した。
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