Day dream believer 朝露に葉が濡れ、空が白みかけた頃、近くの枝に留まり羽を休めていた小鳥が目を覚ました。
この辺りを棲み家としている小鳥は辺りをキョロキョロと見渡すと、小さな白い翼を広げて飛び立った。魔法舎の5階まで羽ばたいたかと思うと、微かに開いた窓に自身を滑り込ませた。
すーすーと規則的な寝息をたてているこの部屋の主人は、未だ起きる気配すらない。その耳元にそっと羽を降ろした小鳥は、嘴から軽快な音色を高らかに奏ではじめた。
「……っ」
部屋の主人は、微かに眉を顰め身を捩る。
「はぁ……お前さ、もう少し優しく起こしてやろうとは思わないの?」
毎日夜明けをを伝えに来る小さな友に悪態を吐きながらも、白くすらりと伸びた指先に乗せ、友のために開けていた隙間から解放してやる。
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