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    akirafutene

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    akirafutene

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    5/3 超OTG!無配② ラン暦❄️🌺
    コンドームの話(①とは話が繋がってません)
    ※成人パロ(二人が結婚(同居)しています)
    ※R-18描写はありませんが聖行為の最中の話です
    ※内容がないのでなんでも許せる人向け

    TRY AGAIN「……あれ。ない」
     いつものところにひとつもない。この間したときは、ストックがまだたくさんあったはずなのに。
    「どした?」
     俺が行為を中断したのを不思議に思ったのか、暦はむくりと身体を起こした。ほんの少し前までウットリしていた表情も理性を取り戻している。
    「ゴムないよ暦。まだ使い切ってないよね?」
     二人で暮らしているマンションにはお互いの部屋が一つずつあって、それぞれベッドサイドにいくつかコンドームを置いていた。いつでもどっちの部屋で寝ても大丈夫なように。数も種類も申し分ないくらいに。
     それがなぜか、暦のベッドの定位置に見当たらない。箱が空っぽとかじゃなくて、箱自体がない。
     まあ、俺の部屋から持ってくればいい話なんだけど、あるはずのものがないのは嫌だ。落ち着かない。お金がもったいない。
    「あー。そうだった。戻すの忘れてたわ」
    「戻す?」
    「ちょっと動かしたんだよ」
     暦は裸のままひょいとベッドから降りると、机の下に腕を突っ込んだ。
     なぜそんなところに移動させたんだ、と首を傾げている間に、暦の手によって直方体の小さなスチール缶が姿を現した。
    「見てこれ。ゴムみくじ」
    「……は?」
     俺の知らない日本語出てきた。
    「なに? みくじ?」
    「おみくじ。ゴムの」
     なに言ってんだろう、暦。頭を打ったのか。
     わけがわからなくて目を細める俺に反して、暦の瞳は輝いていた。楽しそうに缶を振っている。そのたびに中身がガサガサと音を立てる。
     もしかして、いや確実に、あの中にはコンドームが入っているんだろう。いやどうして。一体なんで。
    「いろんな種類ちょっとずつ使うじゃん? そしたらどの箱も在庫が中途半端になっちまってさ。まとめて全部この中に混ぜて入れた」
     パカッと開けた缶には、正方形のパッケージや、プラスチックのブリスターパックが、混ぜこぜでたくさん入っていた。
    「……え? じゃどれが何の商品かわからないよね」
     箱に書いてある説明がないと、どういう特徴を持った商品なのか、俺にはわからない。デザインを暗記しているわけじゃないし。
    「おう。だからみくじ。おもろくね?」
    「おもろくない」
     なんでそういうことするんだ。重いため息がこぼれる。
    「そうかぁ? 部屋も片付いて一石二鳥じゃね?」
     俺がノってこないことが不満なのか、暦は口を尖らせていた。
     こういうところがちょっとかわいいなと思ってしまうのが悔しい。グッと怯んでいる間に、暦が俺に缶を突き出す。
    「ま、とりあえず引けよ」
    「いやだ」
     よく見たらこれ、俺のカナダみやげのお菓子の箱だな。大事にしてくれて嬉しい。活用の仕方がちょっと、ていうか、かなりおかしいけど。
    「混ぜちまったもんはしゃーねえだろ!? ほら! 運試し!」
     確かにこの状態になっちゃったからには、この缶の中から一つ選ぶしかないか。早く続きがしたいし。
    「じゃあ……これ」
     俺は缶に手を突っ込み、ブリスターパックを一つ抜き取った。部屋の照明を落としているから、デザインははっきりわからない。
     どのゴムだろう、これ。薄いやつだっけ。ジェルが変わってるやつ?
    「なんだっていいか……」
    「なんだってはよくねえだろ」
     暦はまだムッとした表情のまま、俺をベッドに押し倒して、その上に乗っかってきた。オレンジの常夜灯が暦の肌に光る。
    「どのゴムも、ランガに気持ちよくなってほしくて、オレが真剣に選んだやつなんだからな」
     ずるい。そんなこと言うんだ。
     暦は手慣れた動きでパックを開けると、俺の下腹部に手を伸ばした。
    「暦、つけてくれるの?」
    「もち。じっとしてろよ~」
     子供に向けるような口調と声色なのが恥ずかしいけど、暦に甘やかされるのは嫌いじゃない。
     いや、うそ、大好き。
     いつもいつも楽しませてくれてありがとう。
    「れき……」
     暦の髪を撫でながら、甘やかされる幸せな感触を味わっていた。



    「薄いやつだったな」
     使い終わったものをゴミ箱に投げ入れて、暦は小さく呟いた。
    「え!? 暦わかるの!?」
    「いやむしろお前わかんねえの!?」
    「言われてみれば、って感じ……かな……」
     薄かった……ような気がする。
     気持ちよかったという記憶ばかりが頭の大半を占めていて、細かいことまでは覚えていない。ただでさえ暦の顔や声や感触を味わうので忙しいのに。
    「どれ使ってもわかんねえなら、色んな種類買ってる意味ねえじゃん」
     眉間に皺を寄せながら、暦がまた缶をガサガサと揺らす。そう言われると俺だって当ててやりたいという気持ちになる。
    「そもそも暦って、何をヒントにゴムの種類当てたんだ?」
    「ランガの反応」
    「え」
     予想外の言葉が出てきて息が止まった。
     暦はベッドに寝っ転がり、楽しそうに俺を見上げた。
    「お前の顔とか動き方とか見てると、あーこのゴム好きなんだなーとか、あんまだけどオレとセックスすんのは好きなんだなってのがわかる」
     カーッと熱いものが心臓からこみあげてくる。
     多分、顔は真っ赤になっていると思う。
    「今日のは中吉くらいだな」
    「え!?」
    「お前が一番好きなやつじゃなかった」
     とどめを刺されてノックアウト。
    「……もう一回引く」
    「は?」
    「もう一回したい!」
     次は当てるし、もっと暦を味わうんだ。
    「しょうがねえなあ~」
     暦は体を起こして、再びスチール缶を手に取った。
    「お前の負けず嫌いには神様も勝てねえな」
     神様や運には負けない。
     でも、暦には負けるかもしれない。
    「いくよ」
     挑戦的な暦と視線を交わして、俺は缶の中に手を伸ばした。
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