最果てのサイハテ この世界の果てには、何があるのだろうか。それが気になった私は、旅に出ることにした。
海辺の町。山の中にある村。都会。雪国の集落。常夏の村。どんな場所にも、楽しい面と、苦い面があった。何処も変わらない。嗚呼、何処も変わらなかった。何処にも、最果ては無かった。
どうしてだか、私は最果てを目指し始めた。二十五の頃に目指し始めて早十年。というところである。どうしてだったかは、もう思い出せない。思い出せないけれど、なんとなく、ふわっとしているけれど、ずっしりと重い理由で始めた旅な気がする。新品ぴかぴかなリュックも、コートも、靴も、大分ボロボロ。だが、それでよかった。最果てに目指すならば、私自身もその姿で挑まねばならない。ドレスコードのようなものだ。
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