師匠と出会って何日か…。
自分は師匠の家に連れていってもらった。
今までの汚れを全て落として、邪魔な髪の毛も切って、洋服も師匠のお古の先の方をたくさんまくって着せてもらった。アミリアさんという綺麗な人から、『らしくなったわね』と喜んでもらえたのでこれはきっと良いことなんだろう。師匠の大きな背中を追いかけながらたどり着いた建物。階段を上がって、師匠が扉の鍵を開く。ガチャンと大きな音とキィキィと扉が開く音がした。師匠は一度自分を見てから、顎で『入れ』と合図した。
生まれて初めて、家という箱のなかに入る。
この箱の中には…生きていくために必要なものが全部あると教えてもらっていた。順番を待たなくても水がでて、体も綺麗にできて、雨からも風からもあの嫌な雷だってここにいればへっちゃら。そして食べ物も、何日だって保存ができていつでも食べれる箱があるって…。教えてもらった…ここでは靴を脱いで床にあがったら、こういうんだ……
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