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    @rio_danmei

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    天官賜福ネタバレを含みます。
    ペイが花城に絡んで、ペイがゴロツキを吹っ飛ばすだけの話です。
    ペイの恋愛観は翻訳に穴があると思うのでほぼ捏造です。

    #TGCF
    ##ペイが花怜に絡む話

    ペイと花城が話してる話。「やあ、鬼王閣下。お久しぶりですね」

    花城は謝憐に此処で待っててねと言われて茶屋に一人でいた。
    そこに何を血迷ったのか明光将軍こと裴茗が相席し、ニヤニヤと彼を見て頬杖をついていた。

    「鬼王閣下聞きましたよ。空気を渡すのにかこつけて無理矢理口づけしたのが太子殿下との初めてだったのですね?」

    花城は少しだけ裴茗に目をむけた。裴茗はフムフムと頷いて何やら訳知り顔である。

    「私もいけると思ったら口づけをする」
    「殿下がお話になったのか?」
    「ええ。ふとした会話の切欠で…とても愛嬌のある反応をされまして、聞いていけば口をつるりとね。こちらの方面に関しては本当に初心な方ですね、太子殿下は。最終的には何故か空腹を訴えながらなんでも答えてくれました。ええ。ええ。流石、鬼王閣下と思いましたよ。初めての口づけの出来事の詳細もお聞きしました。思ったのですが、死霊蝶をもっと早く出していれば…………いや、いいんですよ?城主。わかります。初めは救命措置のつもりだったかもしれませんが好いた相手と唇を重ねるというのは……うん、わかります。仕方がない。私も覚えがあります」
    「私が貴方を粉微塵にする前に消え失せることを勧めます」

    裴茗は愛の戦士であるので、花城の端的な脅しには屈しなかった。

    「三界には様々な女性が居ますが、村娘町娘の素朴さも良い、貴族皇族の高貴さと女神官の高貴さはまた違った魅力を持っていて良い。様々な女性と情を交わしてきましたが、女鬼の妖艶さに魅せられた時期もありました。鬼の王たる貴方も人を狂わせる男です。私は男性には興味がありませんが、貴方たちには非常に興味がある。つまりは、あの生娘のような性根を持つ殿下を毎夜どのように仕込んだのかということです。殿下の話曰く、彼がそちらの方面に疎いことをいいことに、かなり閣下のお好み……に……………閣下、閣下。私が悪かったです。流石に言いすぎました。手を下ろしてください。どこに弯刀厄命を仕込んでいたんですか。落ち着いて、和解しましょう。抜刀しないで」

    流石に足先から薄切りにされる危険性を感じ取って裴茗は話を変えた。

    「私に美しい女鬼を紹介してくれませんか?」
    「消え失せてくれませんか?」
    「全く私は太子殿下の贈り物相談に乗ったというのに……私は思います。最早、神と鬼が関係を持つことは特段珍しいこととも言えない。私も経験が無いとは言えないし、南陽将軍は女鬼との間に子供がいるし、太子殿下は鬼王閣下と天地をひっくり返して大鍋で煮詰める大恋愛の最中。傑卿も執着があった。ま、人だった頃の縁と言えなくも無いですが。引玉殿下は復活早々また貴方のところで働かされていますし、権一真から文句はないんですか?」
    「権一真に文句があったとしても、引玉は自分の意思で私のところで働いているのだから関係ない。嫌なら私の首を獲って、引玉は自分のところに縛り付けておけばいい」
    「過激だな。奇英でも無理でしょう」
    「武神がそんなにも堂々と無理だと言っていいの?」

    花城は唄うように嘲笑ったが、将軍も中々どうして食えない笑みを浮かべる。

    「貴方も恐ろしいし、貴方を狩ろうとすればあの最強の武神が出てきますからね。どちらかを敵に回せば両方を敵に回すことになる。それが最も厄介だ」

    さて。ところでここは小さな町の茶屋である。

    このあたりでは見かけない、趣の異にする美しい男たちが話し込んでいれば、否が応でも人目を引く。
    特に娘たちは彼らを見ては小雀が戯れるようにはしゃいでいた。裴茗は彼女たちにチラリと目をむけて、計算されつくした微笑みを向け、片目を閉じて星を飛ばした。
    花城は心底つまらなそうにした。実際、一時でも離れたくない愛すべき妻に置いて行かれたので彼は憂いていたのだが、色男の憂い顔は絵図である。

    娘たちがそうである一方、男衆もこの「若造共」の存在が気にかかっていた。
    血気盛んで機嫌の悪い男たちは一目見た時から如何に難癖をつけようかと伺っていたが、更に何か女の話までしているではないか。美丈夫が手玉に取った女の話に花を咲かせていると思い込んだ野郎共は早速まずは裴茗に絡んだ。男たちは馬鹿であったが、花城のほうは一貫して(裴茗に対する)殺気を隠す気が無かったので、本能的に敬遠した。裴茗はやれやれと言った風に首を振り、「ここは茶屋だが酒も出すんだな」と言って立ち上がった。

    「お宅、浮気しちまったんだって?」

    いつもの彼とは違う、侠客者じみた口調で裴茗は言い、男の襟首に手をかけた。
    やはり彼も武神であり、流れるような動きに男は全く反応できなかった。

    「それで女房に捨てられそうなんだって?さっきから後ろの卓で話してたのが聞こえてきたよ。馬鹿なことをしたもんだ………自分から言っちまうなんて。許してもらいたかったのかよ。一夜の間違いなんぞを正直に言うなんて馬鹿げてるんじゃねぇの。カミさん愛してんなら墓場まで持っていくのが男気ってもんだろ」

    裴茗は男たちに囲まれながら茶屋の外へ出た。花城も店から出て、軒先で腕を組んで眺める。万が一、殿下がこの瞬間に戻らないとは限らないからだった。この場面を目撃すれば間違いなく仲裁に入るだろう。それはいただけない。
    ゴロツキは五、六人いて、一人の男の昼間からの自棄酒に付き合っていたらしい。

    「過ちは変えられない。ならば伴侶に苦しみを与えるな!己の内で苦しみ続けることこそが罰になる!!罪悪感を持っていることが愛の証だ!!だが愛を免罪符が代わりに使うんじゃない!!!!」

    裴茗は酔っ払いを一本背負いしながら言った。

    裴茗は謝憐とは違い、個の武の極致というよりは将軍として万の軍勢を率いる才で飛昇しているが、言うまでもなく将軍折剣は彼が一人で全員を切り倒している。
    人の姿を取っていても、ゴロツキではまるで相手にならない。
    全員を投げ飛ばして制圧するのには、湯が沸くほどの時間もかからない。
    直ぐに見物人の女性たちの盛り上がりは最高潮に達した。

    「花城主もそう思うでしょう!?」
    「貴方が伴侶への愛を語るのはとても不可解な気がします。貴方は女性と言うものを愛おしんでいるのであって、真に愛しているのは己だけでしょう」

    花城主は一途の極みの男であり、個人に関して目移りも気移りもしたことがないので、多くに生殖器が内側から爆裂することを願われている男の言っていることに頷くことはなかった。前提の条件があり得ないから。
    その辺の河原に男たちを転がして裴茗は女性たちに手を振って茶屋の元の席に戻った。花城はとっくに戻っている。

    「私は人間の身を持って愛し合い、夫婦として添い遂げた女性も何人かいます。その者たちに不義を働いた事はない。そうでなくとも、ちゃんと別れてから新しい女性と関係を持ってます」

    これは神官である裴茗が人の身になって人界へ居り、愛した女性と天命を全うしたように振る舞ったということだろう。確かに、「その時」の妻には不義はない。

    「一夜の間違いは?」
    「一夜のことは一夜のことです」
    「不義とは?」
    「一方の心を繋ぎ止めておきながら、他の人を愛すことです。まるで、女性を「予備」のようにすることはあり得ません」
    「言っていることは理解できるが、凄惨だ」
    「何が凄惨ですか?」
    「貴方の数多くの子孫が殺し合ってないといいですね」

    何人もの女性に手を出すと言うことは、何人もの女性に手を出せると言うことである。彼の地位と名声、生活の保障に彼自身の美貌と体格が備わっている。
    女性に対する手練手管は凄まじく、男性からも醜い嫉妬を向けられると同時に将軍として慕われていた。勝利と女にしか興味のない戦神は、線の細い美形でありながらも、結局のところ豪胆な将軍であったということだ。

    「私は貴方が理解できない。どうして一人の人を800年も想い続けることができたのですか?」
    「貴方には一生わからないと思いますし、あまり語りたくもないです。ただ、言葉が違います」
    「言葉?」
    「『800年も想い続けることができた』のでは、800年しか想ってないようだ。私はこれからも永遠にあの方を想い続けます」

    太子殿下と紅衣鬼王の話は三界にもはや知れ渡っているが、ここまで臆面もなくはっきり言われて裴茗は軽く目を開いた。彼でなければこちらが赤面しているところだろう。花城は一切表情を崩さない。

    「これから先のことはわかりませんよ。未来は誰にもわからない」
    「わかります。決まっている」


    その時、卓に白い影が映り、「あれ?珍しい組み合わせだね。なんの話をしているの?」と驚きが少し混ざった穏やかな声がかかった。
    色の無い世界で生きてきた哀しい人が初めて恋を知ったような瑞々しい表情をして花城は謝憐に笑いかけた。変わり方が激しすぎて、裴茗は茶を吹き出した。

    「哥哥!用事は終わったの?」
    「うん。終わったよ。お待たせ」

    即座に立ち上がった花城は、謝憐の荷物を預かる。

    「哥哥。あんまりこの人に色んなこと言いすぎないほうがいいよ。俺は心配だ」
    「え?裴茗将軍。三郎に何をしたんですか?」
    「待ってください。何故私が何かしたことになってるんですか?盲目的な愛は良い傾向ではないですよ太子殿下。どこの世界に絶境鬼王に何かできる人が居るんですか」
    「哥哥。淋しかったです。こんな人置いて早く家に帰ろう。今日は少し冷えるし、一緒にお風呂に入りたいな」
    「もう、三郎こんなところで……」

    もう二人の目に裴茗は映っていなかったので、太子殿下の更新されていく劇の内容の九割近くに紅衣鬼王が出てくるのもわかる……と思いながら裴茗は店を出た。

    彼は「私もそろそろまた新しい愛……(吐息)に触れたいな」と微笑みを浮かべ町娘に声をかけるのだった。







    暇人裴茗、花城に絡みにわざわざ来た。
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