同室の戦争ある日、遠征でロケに来ていたESアイドル達。各々にホテルの部屋が割り振られており、茨はその部屋に行くや否や戦争が勃発しそうだった
「おや。同室でしたか茨」
「それはこちらの台詞です弓弦。なんでよりによってあんたなんですか」
「不満ですか?」
「不満しかないでしょう」
ドアを開けて入れば目の前に弓弦が形だけの笑顔ですぐそこに立っていた
「でしたら今からでも他のホテルに泊ればいいのでは?」
「ESアイドルはここに泊まる約束でしょうが。部屋も完全に決められてますし、無理なこと言うな」
「ならもう少し普通に取り繕ったらいかがですか?」
「誰があんたと普通に接するか」
なんとか弓弦の横を通り抜け、自分の方のベッドへと座る
「絶対こっちくんな」
「言われずとも変に踏み込んだりはしませんよ」
睨みをきかせた茨はそのままパソコンを開いて自分の仕事を始める
「こんなところでも仕事ですか?」
「あんたには関係ないだろ」
「さすがに隣で寝る人がパソコンをカタカタとしていたら気になるでしょう?」
「まだ寝るには早いでしょうが。年寄りか」
「早寝早起きは大事ですから。不摂生な生活をしてると寿命が縮まりますよ」
「余計なお世話だ」
パソコンで仕事をする茨に茶々を入れる弓弦だったが、桃李にスマホで呼び出され席を外した
「やっと邪魔者がいなくなった」
弓弦がいなくなり、清々した茨はそのまま仕事を続けた
しばらくして部屋に戻ってきた弓弦は大きな溜め息をつく
「まったく…だから言ったでしょう」
パソコンを開いたままベッドで眠っている茨にそっと掛け布団をかける
「もっと自分を大切にしないとお仲間も心配しますよ」
「んん……かっかぁ…………」
「はぁ…とんだ甘えん坊ですね」
寝言を呟く茨に更に溜め息が出る。だが、茨の寝顔を近くで観察するなど滅多にないのでこれもいい機会と思いじーっと見つめてみた
「…まったく、無防備ですね。まあここらではあなたを襲うようなやつもいませんからね。ゆっくりお休みなさい」
そっと茨のパソコンを閉じた弓弦は茨の頭を撫でた後、自分のベッドへと戻り眠りについた