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    sousaku_osakana

    リョナ多め

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    sousaku_osakana

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    元気いっぱい夢いっぱい!死体は2体。

    100年後まで「あ〜あ…もう終わっちゃう…」
    「ん?お前そんな花火好きなん?」

    空高くばんばか打ち上がる花火を眺めながらピーニャがぼそっと呟く。
    その声に同じく花火を眺めていたオクザキは、隣でデカめの犬のようにベッタリと体重を乗せて抱きついている可愛い恋人に声をかけた。

    「違うよ!花火が終わっちゃったらデートも終わっちゃうでしょ!せっかく特別なデートなのに…」

    どうやら花火ではなくデートの話だったらしい。
    花火も終わっとんやから違うっちゅーことはないやろ。

    「特別〜?あ〜…出かけることか。なんやそんな楽しみにしてたん?可愛いやないか。」
    「ありがと。でもね、ただ出かける訳じゃなくてぇ、なんて言うのかな…。こうやって事前にネットでチケット取って予定立てて…そういうデートが終わっちゃうのが嫌なんだよ。寂しいなぁ。明日月曜だし。」

    花火が終わり、周りの人はレジャーシートを畳み駅の方へと戻ろうとしており、親子連れは眠そうな子供を腕に抱き帰路へ着く。
    そんな中一向にケツをあげようとしないピーニャは一向に離れようともしない。なんなら更に自分にめり込んでくる。

    「楽しみ無くなっちゃったな。明日から何楽しみに生きていけばいいんだろ〜。なんかそういうの無いとさ、毎日つまんないんだもん。」
    「次のデートこの場で決めとくか?隣町に新しく出来た焼肉でも行かへん?」
    「ん〜行く。でもそれが終わったら?次は?」
    「そりゃ始まったら何でも最後は終わんねん!……あ〜らちあかへん。しゃーない今日は泊まってき。眠なるまで話そうや。」

    そういうとシートベルトを外すようにガッツリ絡まったピーニャの腕をひっぺがす。
    立ち上がって腰を伸ばした後パタパタとレジャーシートを畳む。それをにこにこと見ているピーニャ。

    「えへ♡明日学校だけど泊まっていいんだ!」
    「寝坊したらあかんよ。ちゃんと日付変わる頃には寝るんやからな。ほな帰るで。忘れもん無いか?」

    ピーニャは周りをキョロキョロと見渡し何も忘れていないことと、ついでに人がいないことを確認する。
    膝を曲げ小さくキスをし「帰ろ!!!」とバカでかい声で小さな手を引いて駐輪場へと2人歩いていった。


    手洗いうがいお風呂明日の準備、全部終わらせてベットで寛ぐピーニャの隣にオクザキがすっと腰を下ろす。

    「な、ピニャ坊。デート先決めとこや。」
    「え?あー隣町の焼肉?それともその次の場所のこと?」
    「や、これから先全部のやつザッと予定立てんねん。」

    どういうこと?と上体を起こして隣に座り直すピーニャ。
    オクザキの手には髪と鉛筆が握られている。

    「ええか?まずこれから先確実に起こるでかいイベントを書き出すねん。ピニャ坊が成人する誕生日アカデミーの卒業式、結婚式、ハネムーン……ん〜あとは還暦?」
    大雑把なカレンダーのようなものに間隔をあけてどんどん書き進めていく。
    「ほんで次は季節行事。これ結構多いねんな。花見、GW、七夕、夏祭り、海、ハロウィン、クリスマス、正月……まぁこんなもんか?」

    またどんどん書き出されていく。
    それでもまだまだ空白が目立つ。
    当たり前だ。この一覧は100年先まである。この人は132歳まで生きるつもりなんだろうか……。

    「ほんで次は〜…やってみたい事行ってみたい所やね!まぁ予定の段階だしどうせならでっかく行くで。豪華客船で世界一周とかどや?」
    「楽しそうだね。…でもボク船乗ったことないから酔っちゃうかも…。ちょっと怖いなぁ…」

    おずおずと不安を口にする。パルデアの外だとオクくんの実家があるジョウトになら行ったことがあるがそれ以外は行ったことがない。ましてや世界一周だなんて…。
    でも海上で見るオクくんはきっとずっとかっこいいだろうな…♡とちょっとニヤつく。

    「せやろ?そしたらな、その対策用のデートもすんねん。ジョウトで屋形船、イッシュでスワンナボート、あとなんやろなぁ〜。せやライドもあるな!ラプラスとかマンタインとかサメハダーとか…アローラも常夏で楽しいんよなぁ〜」

    余白がまたどんどん無くなっていく。
    マンタインとかサメハダーって乗れるんだ…。
    オクくんは物知りで、きっとボクより見えてる世界がずっとずっと広いんだろう。いいな。いいなぁ……

    「楽しそうでいいなぁ……」

    他人事のように呟いてしまう。
    子供のコミュニティは学校と家がメインで大人より狭いなんて言うけど、ボクの世界にはいじめっ子と頼りにならない大人とそれ以下のどうしようもないボクしか無かったからわかんないな。

    「何言うてんねん。2人で行くんやからピニャ坊も案出しや!まぁでもそもそもわからんとなるとムズいか…じゃあ今夜は世界中のマップ見ながらエア世界一周するで!」

    まずはカントーからやね。そう言いながら有名な観光地をスマホロトムをスライドし見せてくれた。
    初めて見るポケモンも沢山載っていてワクワクする。
    初めてアカデミーに入学した日、配られた教科書に一通り目を通し、これこら先の学校生活きっと楽しみでいっぱいだ!とかなんとか思っていたころを思い出す。
    そういえばあの時も、地図帳を見てまだ見ぬ地方やポケモンに胸をときめかせてたっけ。いつから忘れてたんだろう。

    「あの!ボク、ボクね!宇宙旅行に行きたい!!」

    でっかい声が出た。いつもの事だが身を乗り出して言ったもんだからオクくんがびっくりしている。

    「宇宙旅行?……だはは!ほんまでっかく出たなぁ!!ええよええよ!行こうや!夢はでっかい方がええもんなぁ!」
    「ちょっと!ボクほんとに行きたいんだってば!オクくんと間近で星を見るの!それでさ!カシオペア座の星全部見つけてさ!あったよ!って皆に教えたい!そうだ!ねぇ!セギンの近くにある星にオクくんの名前付けちゃおうよ!」
    「織姫と彦星にでもなるつもりなんか?あっはっはっ!!せやね!なら100年後は宇宙旅行で決まりや!その頃ならきっと民間人でも行けるやろ!」

    100年後 宇宙旅行
    そう最後に勢いよく書き込まれた紙を渡される。

    「ほい。これでもう寂しないやろ?まだまだ若いんやしこれから楽しいこといっぱいあるで。ワイもピニャ坊と一緒に年甲斐も無くはしゃぎ続けるから付き合うてや。」

    オクくんが小さな手で頭を撫でてくれる。
    何度この人に救われるんだろう。ボクにとっては大きくなりすぎた存在。
    これからもきっと何度も救われる。
    1人じゃ抱えきれないほど沢山の夢が出来たから!今!!やっぱりボクオクくん大好きだな!!!!

    「えへ!えへへ!!!」
    「元気出たみたいでよかったわ。ほな終末焼肉行こな。電気消すで〜。」

    プツン。真っ暗になった部屋で興奮冷めやまぬピーニャはいつも以上に引っ付いて離れなかった。






    耳鳴りが止まない中、水滴が水にぽちゃぽちゃ落ちる音が鳴り続いている。
    頭はガンガンと響き使い物にならない為、為す術なく天井を見つめている。
    倒れた家具やひしゃげたパイプ、崩れた瓦礫で身動きが取れない己の曲がった足が嫌でも目に入ってくる。
    傾いた地面には海水が侵入し、もう感覚のない足から流れてる赤い曲線をゆらゆらと波で転がしている。
    地面に落ちたテレビからノイズ混じりにニュースキャスターの声がかすかに遠くから聞こえてくる。

    「……◯日◇時頃、××地方付近の海域で観光船が巨大な氷塊にぶつかり……転覆…情報が入り…した……レスキュー隊…救助に向か……すが……暴風と高波…損傷が激しく…難航しており…繰り返」

    どうにか首を曲げて部屋を見渡す。
    いた。赤い髪が水に浸っている。こちらに背を向け力無く床に転がっている。
    広がる赤い波紋がもはやどっちのものか分からないがピクリとも動かない。

    あれ?前にもこんなことあった気がする。
    そうだ。ボクが夜中に起きたけどオクくんがそっぽ向いて寝てて寂しくて泣いちゃって…
    でもオクくんはボクのことあやしてくれたんだっけかな…
    やだな、なんでこんな時に思い出しちゃったんだろう。

    「寂しいなぁ……」

    僕が最後に見たのは、朝日でも夜景でも雪景色でもオーロラでも花吹雪でも星でも

    エメラルドの長いまつ毛でも
    左手の薬指に輝く指輪でも
    シワシワになった君でもなくて




    ただのクソみたいな瓦礫だ。








    ×年後 卒業式

    ×年後 豪華客船で世界一周

    ×年後 結婚式

    ×年後 ハネムーン













    100年後 宇宙旅行
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    izayoi601

    DONE思いついたので一人飯するじょしょどのの話。台詞などでも西涼二直の中ではじょしょどのが一番食事好きな方かなと妄想…脳内で色々分析しながら食べてたら良いです…後半は若も。庶岱と超法前提ですがもし宜しければ。ちなみに去年の流星での超法ネップリと同じ店です。
    早朝、一人飯「これは、まずいな……」
     冷蔵庫の中身が、何も無いとは。すでに正月は過ぎたと言うのに、買い出しもしなかった自らが悪いのも解っている。空のビール缶を転がし、どうも働かない頭を抱えつつダウンを着るしかない。朝焼けの陽が差し込む中、木枯らしが吹き付け腕を押さえた。酒だけで腹は膨れないのだから、仕方無い。何か口に入れたい、開いてる店を探そう。
    「……あ」
    良かった、灯りがある。丁度食べたかったところと暖簾を潜れば、二日酔い気味の耳には活気があり過ぎる店員の声で後退りしかけても空腹には代えがたい。味噌か、塩も捨てがたいな。食券機の前で暫く迷いつつ、何とかボタンを押した。この様な時、一人だと少々困る。何時もならと考えてしまう頭を振り、カウンターへと腰掛けた。意外と人が多いな、初めての店だけれど期待出来そうかな。数分後、湯気を掻き分け置かれた丼に視線を奪われた。
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