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    Rinhainownow

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    Rinhainownow

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    まいにちのううらってタグで書いてた駄文たち
    またモチベ上がったらまいにちのううら再開したい
    改行で別のお話しです。初期以外に琴月、翻観、宗教あり
    クズいそぺに巻き込まれる可哀想なジョゼもいる。ほぼギャグ
    心中表現、死ネタ、探傭匂わせ注意

    #納占
    nana

    まいにちのううらまとめ「寒い」
    僕より厚着のくせして鼻を赤くしたイライが白い息を吐いた。
    「…イライ、こっち向いて」
    言われるまま此方を見た彼の頬に手を添え、愛してる、と呟いた後キスをする。顔を離せば耳まで真っ赤にしたイライがわなわなと震えていた。
    「ふふ、まだ寒いですか?」
    「うるさいっ!」




















    「やあイソップくん、これから試合かい?」
    化粧箱を携えた彼に声をかける。何処と無く気怠げな雰囲気だ。
    「えぇ、まあ…イライさんは帰ってきたところですか」
    「うん。ファーチェからずっと動きっぱなしでね、流石に疲れちゃった」
    そう言ってフードを外すと、イソップはすかさずそのフードを元に戻した。
    「え、あの、暑いんだけど」
    何食わぬ顔でイソップはゆっくりマスクを下ろして、私の耳元にその口を寄せた。
    「…部屋に戻るまで外さないで。見えちゃうから。…僕がつけた痕が。」
    イライは一瞬遅れて理解したのか、ガバッとフードを深く被り、その赤い顔を隠した。
    「ふふ、じゃあ、行ってきます」
    マスクの上からでもわかる彼の満足げで卑しい顔を見送る。廊下には一人ぽつんと縮こまるイライが残された。
    「…この、破廉恥者」


















    「イライ、身体が冷えます。中にお入りください」
    ベランダにいる白いシルエットに声をかける。
    「あぁ、もう少し、待って。今日の月はおしゃべりなんだ」
    王宮に幽閉されている占い師。何やら月を見て占いをするらしいが、本当のところはわからない。
    「それとも、君の方が我慢ならないのかな?」
    柵に腰掛けた彼はベールをたなびかせてこちらを見やる。偶にこの人は人間ではない何かなのではないかと心配になる。
    「まぁ、貴方を月に独り占めされるのは不本意ですね。」
    「じゃあ、こっちに来なよ」
    包容力のある柔らかな笑顔で腕を広げる。言われるまま懐に入り、右頬にキスをした。
    「月に、見られてるよ」
    「はは、見せてるんでしょう?」
    そのまま僕らはもつれあって、柵を越えて落下していった。
    月が蒼白く輝いている。


















    「イソップくん、こんなにくっついてると治療できないんだけど」
    イソップはすみません、と零しはするが動く気配は無い。イライは諦めて包帯を置き、ぽんぽんとイソップの頭を撫でた。
    「…怖、くて」
    肩に顔を埋めたまま彼は口を開いた。
    「失血死なんて、もう何度も体験しているのに、…失っていく体温と意識を感じて、もう、イライさんに、会えないような…そんな気がして……」
    あまり感情を表に出さない彼が、声色でさえ憔悴しているのが分かった。
    「…大丈夫、大丈夫だよ。私はずっとここにいるから。ずっと君と一緒だから…」

    「サベダーさん、終わった?」
    「あぁ…でもイソップだけは聞けてない。」
    「帰って来た時、酷い顔をしてたものね…」
    「あんな状態なのに聞けねえよ…イライの死体を知らないか、なんて」

















    思わず紅茶を飲む手が止まった。
    「え、…貴方、自分の誕生日を覚えてないんですか?」
    「まあ…うん」
    「…はあ〜」
    もともと自分のことに無頓着な人だと思ってはいたが、まさか此処までとは思っていなかった。…僕も人のことは言えないが。でも誕生日くらいは覚えている。
    「…その、元々祝われるような事でもないんだけど…周りに祝ってくれる人はいなかったし、祝えるほどの環境でもなかったからさ…私もそれで構わなかったし、だから、悪い事じゃ…」
    イソップはティーカップを置いて、一つ息を吸った。
    「分かりました。じゃあ、明日にしましょう。貴方の誕生日」
    「へっ!?」
    「ちょうどハロウィンの日ですし、覚えやすいでしょう。もう忘れたらダメですからね」
    一方的にまくし立てたあと、一息ついて紅茶を飲む。イライに注がれた紅茶は微塵も減っていない。
    「ちょ、ちょっとまって…そんな、私の誕生日なんて決めても…」
    「わからない以上決めるしかないじゃないですか。それに、貴方はもっと自分の世話をした方がいいです。身なりではなく、内側の部分を。今だって一度も紅茶飲んでないじゃないですか」
    「え…いや、だって、私がこんな上質な紅茶を飲むなんて烏滸がましい…」
    「そういう所ですよ。貴方が贅沢をしたって誰も咎めません。それともこの紅茶を廃棄させるつもりですか?それこそ失礼ですよ」
    「う…」
    「わかったら飲んでください。あと、貴方の誕生日もしっかり祝わせてもらいます」
    「な…」
    「嫌だなんて言わせませんよ。引きずってでも連れて来ますからね。」
    驚きからかイライは一度席を立ち上がったが、観念したのかゆっくりと座り直し、紅茶の中のスプーンをくるくると回し始めた。
    「…嫌では、ないよ。でも、確かに、私が謙虚を装った所で過去の彼らが腹を満たせる訳ではないものね。」
    イライはカチャンとスプーンを置いて、ただ一口、紅茶を口に含んだ。
    「…じゃあ、楽しみにしてるよ。明日のこと」
    紅茶の甘さ相まり、イライは優しく綻んだ。




































    「…君、この前も開幕恐怖くらって見捨てられてたよな」
    椅子に拘束した彼…イソップカールに問いかける。
    「そうですけど、何か」
    「いやもう少し申し訳なさそうにしろよ…逆にこっちが申し訳ねえよ」
    「僕だって心の底から悪いと思ってますよ。でも、だってしょうがないじゃないですか。開幕恐怖で見捨てられたってイライさんに話したら、膝枕してよしよししながら寝かしつけてくれるんですよ?こんなことされたら開幕恐怖食らうしかないじゃないですか」
    「いや純粋な利敵やめろ…自己中の塊か?」
    「僕は悪くない!あんなことするイライさんが悪いんです!!」
    「責任転嫁しだした…もうお前飛べよ」
    何事かを喚き散らす彼を軽蔑の目で空に見送り、ジョゼフは鏡像に消えていった。
    ちなみに3度目の開幕恐怖を食らった時は流石に怒られたらしい。






















    「起きてイソップくん。朝だよ」
    緩やかに頭を撫でられる感覚で目が覚める。ゆっくりと身を起こすと肩にかけられていたのだろう、落ちた毛布がばさ、と椅子に引っかかった。
    徐に時計に目をやる。針は10時過ぎを指していた。…朝と呼ぶには少々遅すぎる時間だ。
    「…何故もっと早く起こさなかったのですか。」
    「だって、あんまり気持ち良さそうに寝てるからさ」
    「貴方は何百人といる部下が危険に陥っている状況で僕が寝ていても同じ理由で起こさないつもりですか」
    思わずため息をついて頭を抱えてしまう。この人の何処かふわふわとした雰囲気が危なっかしくて仕方がない。
    「その時はその時でしょ。それに君、確か二徹目だろう。寝れる時に寝ておかないと、それこそ必要な時に対応できないよ」
    「はあ……」
    わかりましたから、とイライのセリフを遮る。イライは不服そうだが、それ以上何かを言及する事はなかった。
    「私はコーヒー淹れてくるけど、君はブラックでいい?」
    「…お願いします」
    丸っこいシルエットを見送って、見た目より存外重い音を響かせて扉は閉じた。イソップはまた頭を抱える。
    「…人のこと言えないくせに」





















    暗号機は残り2台。イソップ君が回していた暗号機に合流し、一緒に解読していたのだが、何故だか彼は頻りに口元を気にしていた。
    「どうかしたのイソップくん」
    「…え、と、何がですか」
    「さっきから口元気にしてるみたいだから」
    別段解読の手も止めずに彼は述べる。
    「あぁ…大したことではないです。ちょっと、唇が乾燥して痛くて」
    「そう…ちょっとマスク外してもらっていい?」
    「え?はい…」
    徐にマスクを外すと、イライは突然頬に手を添えたかと思えば前触れもなくキスをしてきた。
    「…!?あ、の、」
    「あぁごめんね、びっくりさせちゃった?キスすると治るって聞いたことあったからさ」
    イライは悪びれもなくその言って、回していた暗号機を上げた。
    「じゃあ、もう少しで残りの1台も上がりそうだから、私はゲートの前で待機しておくね。また後でね」
    彼はひらひらと手を振ると足早にゲートに向かって走り出した。あの様子だと本当に気にしていないのだろう。
    「……今ハンターが来ても気付けないな…」
    イソップはしばらく赤い顔を覆いながらその場に立ち尽くしていた。






















    「また礼拝ですか?」
    足繁く通っている教会。そこには黒と白であしらわれたベールに包まれ、中央に十字を掲げた黒い布に眼前を覆う男性がいる。
    「えぇ、まあ」
    しかし、僕が拝みに来ているのは神ではない。そんなものはどうでもいいのだ。
    「ふふ、熱心ですね。私も丁度見に行くところだったのです。よければご一緒しても?」
    「どうぞ。」
    努めて冷静に答える。この時間にわざと訪れている事は、彼には気付けないのだろう。
    「変な話ですけれど、私はこうして貴方と礼拝するのが密かに楽しみなのですよ」
    彼はそっと手を組む。職業柄なのか癖なのか、彼は祈る時以外も何かと手を組んでいる。無意識なのだと解ってはいるのだが、僕はこの仕草に形容し難い高揚感や興奮を覚えてしまうことに最近気付いた。
    「…僕も、です」
    ぽつりと呟いた。もともと聞かせる為でもない音量なので、彼の耳には届かない。それで十分だ。
    穢れを知らない貴方には、僕が毎日何を祈っているのかきっと想像もできないのだろう。だって、神に祈るには、あまりにも不純すぎるから。
    貴方をそこから引きずり下ろしたい。
    なんて。






















    「こらーーーー!!!!イソップくん!!!!!」
    バンと乱暴に扉が開かれるや否や、紺のローブを纏った男…イライが迫ってきた。
    「君、私のプリン食べたでしょ!」
    「はい」
    「素直!!!!」
    「小腹が空いていて、イライさんなら許してくれそうだなぁと思ったので食べました」
    「うぐぐ……どう反応していいか困る……」
    困惑か行き場のない怒りか、イライはふるふると肩を震わせて言い淀む。普通に怒っていいと思うのだが。
    「今度は僕のプリンを譲りますよ。約束します」
    「…じゃあ、許す。でも次食べる時は事前に言ってよね。結構楽しみにしてたんだから」
    何かとイライは緩いというか、甘いというか…事前に言えば許してくれるあたりそれでいいのかと時々思う。
    「わかりました。それよりイライさん、次ゲームでしたよね?」
    「え?あ、ほんとだ…なんかはぐらかされた気がするけど、まあ、とにかく行ってきます」
    「あ、ちょっと、イライさん」
    ついついとイソップが手招きする。
    「ん?なに?」
    近づいたイライをぐいと引き寄せて、頰にキスをした。
    「お詫びと、試合が無事に終わるようおまじない。」
    「…君、そういうのは、部屋でやってくれよ……でも、あり、がとう」
    じゃあ、またねと残して、こちらに申し訳なさそうに視線を運ばせながらそそくさとイライは退室した。

    「お前、愛されてんな」
    「あぁすみません、ナワーブさん。妬いちゃいました?」
    「別にぃ〜??うざいな〜なんて微塵も思ってないけど〜?」
    「貴方もノートンさんにして貰えばいいじゃないですか」
    「余計なお世話だバーカ」
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