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    駒27

    @koMa27morimori

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    駒27

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    なんか色々注意です※モブがいる

    ##みどてと

    このあとめちゃくちゃ 我らが空手部の部長は1個下のアイドル科の後輩だ。俺や鬼龍先輩のように昔色々あった訳でもなく、人を殴ったことのないようなド素人から黒帯を取るまでに努力したやつ。所属しているユニットでは努力のヒーローを名乗っているらしいが、それに違わない頑張りだと思う。だから後輩が部長を努めていることに特に不満はない。きっと同い年の奴らだってそう考えているだろう。
     俺は実家からの距離でここを選んだので夢ノ咲学院にいるにも関わらず、そこまでアイドルに詳しくはない。だが、後輩のユニットが夏の間に大変な目にあったらしいことは何となくだが分かっている。詳しいことは知らないが流星隊に何やら濡れ衣を着せられたようだ。…厳密には濡れ衣ということは明らかにされていないようだがリーダーを務めている守沢先輩は武道場が体育館に隣接している関係で何回か顔を合わせたこともあるがとても爽やかな印象の人だった、そして鬼龍先輩が信頼しているようだし変な人ではないのだろう。何よりあの真っ直ぐすぎる後輩がいるユニットだ。
     前置きが長くなってしまったがとにかく俺はその後輩のことが心配でならない。夏休みの間に行った他校試合ではいつもなら勝てたはずの勝負に負けてしまったり、やけにトレーニング量を増やしたり。俺にはよく分からないがアイドルには色々あるだろうし目に見えた心配を負担に思う奴もいる。だから俺は露骨に心配をしないことにしていた。だがあいつはどうやら部のことも悩んでいたらしく、ひょんなことからそれを知った俺はとても後悔した。
     名前は知らないが銀髪のやたら怖い俺の同級生が後輩に目を掛けているようだしそれにあいつには守沢先輩やナントカ奇人とやらのユニットの先輩、バスケ部や忍者同好会?の同級生やもちろん鬼龍先輩がいる。 
     本来なら俺が心配するまでもないのだろう。だが少しくらい目を掛けてたい。なんだかんだで可愛い後輩なのだから。

    「押忍!今日もよろしくお願いします!」
    「おっ南雲、早いな」
    「先輩こそ今日は早いッスね~!」
    「なんだ俺がいつも遅いみたいな言い方は!」
    「いやそういうつもりじゃなかったんスけど」
     そう一人で考えているとその後輩がやってきた。俺が一番乗りだったから彼が二番乗りだ。いつも通りの赤メッシュ、いつも通りの姿勢の良さ、いつも通りの…いつも通りでは無い箇所があった。
    「そういや今日は袖下ろしてるんだな」
     クソ寒い冬だろうが365日ずっと捲くられていた制服の袖が今日は下ろされている。
    「えっあ~…イメチェンッス!イメチェン!!たまにはこういうのも良いかな~って…ハハ」
     明らかに挙動がおかしい。まあ彼の言うとおりイメチェンだったのなら悪いことをしたかもしれない。俺も高校デビューで髪を染めたことを指摘されたとき、とても恥ずかしかったのを覚えている。
    「あの!俺、着替えて来ますね!」
    「お~、行ってら~」

     戻ってきた彼はこれまたいつもと違った装いだった。普段は着ないインナーを中に着込んでいた。
    「それもイメチェン?」
    「イメチェンッスね~…」
     そこを変えて何かのイメージが変わるのか?と思ったがアイドルには何かしらあるのかもしれないと言葉を飲み込んだ。

    「失礼するよ」
     続いて武道場に入って来たのは天城だ。今年の夏からの新入り。天照大神拳?とやらの使い手でやたら強い割に自分は一年よりも下だと雑用をやりたがる謙虚さを持つ後輩。やけに南雲に懐いているようなので去年鬼龍先輩にあんなについてた奴になぁと天城を孫を見るような目で見てしまう。
    「一彩くん!今日もよろしくッス」
    「こちらこそよろしくお願いするよ!…おや、部長は今日は肌着を着ているのかな?珍しいね」
    「まぁイメチェンって奴ッスよ」
     微笑ましいなと遠くから眺めていると天城が俺には気がつかなかったもう一つの違いに気がついたようだ。
    「それと部長、項が赤くなっているようだけれども平気かい?都会はこの時期虫が多いようだから…」
     項?と不思議そうな顔をした南雲であったが心当たりがあるようでハッとしたように隠した。
    「あ、や、あの一彩くん、別に虫に刺されたとかじゃないんで………」
     心配しないでも大丈夫ッス…と続けられる言葉が尻すぼみに小さくなる。
    「そうなのかい?…部長、顔が赤くなっているよ。何かの悪い病かもしれない、保健室に…」
    「本当に!本当に!大丈夫なんで!」
    「あと重心もいつもと違って腰を…」

     賑やかな後輩共の会話を尻目にぼんやりと考える。
     …もしかしたら、俺は後輩にとんでもないセクハラをしてしまったのではないだろうか。
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