レトリバー×ビューティージーニアス最近食べ物が美味しすぎて、つい食べすぎちゃうレトリバーです。
このままではいけない、デブリバーはダメ!
そう思い、少し遠くまで散歩することにしました。
ずんずん、ずんずん。
進んでいくうちに、レトリバーはなんだかキレイなお庭に迷い込んでしまいました。
あれ?ここどこ??
キョロキョロ見渡すと……
なんだか優雅なテーブルセットに、これまた優雅に座るイケメンな男性がいるじゃないですか。
うわ、かっこいい人がいる!緑の髪がサラサラ風になびいて…!
見とれていると、その人はレトリバーに気づきました。
「こんにちは、ワンちゃん」
笑顔が…眩しい……!!
その優しい声に惹かれて寄ってしまう……!
「丸いフォルムが可愛いですね」
その人はレトリバーをそっと抱き上げ、優しく撫で始めました。
その手が優しくて、ウットリしてしまいます。
ふと、テーブルの上の本が目に入ります。
「? あぁ、これはヒエログリフの本ですよ」
ひえろぐりふってなぁに?
ギモンに思っていると、イケメンが説明してくれました。
「古代エジプトの文字です。絵のようでしょうが、表音文字なんですよ」
鳥や人や羽が文字??へんなの。
僕は一応字が読める犬なんだよ。
「随分勉強したつもりですが…まだ少し読みづらいところがありますね。僕もまだまだです」
優しく微笑み、その人はレトリバーを膝に抱っこしながら読み進めていきます。
「チョロ松」
薔薇の咲くアーチを潜りながら、これまたイケメンの、赤い髪の男性がやって来ました。
「兄さん…もうそんな時間でしたか」
パタン、と本を閉じ、レトリバーを膝から下ろしたその人は、優しく言いました。
「また、会いましょうね」
レトリバーは颯爽と歩く2人を見送り、自分も帰ることにしました。
あの人たち、すごくいい匂いがしたなぁ。
また、会えるといいな。
長い散歩も、たまにはいいもんです。