『わらしべポメラニアン』(松犬・ポメラニアン)なんかいい感じの棒見っけ♪
咥えてご機嫌のポメが歩いてると、池のそばで子どもが困っています。ボールを池に落として手が届かないんだね。
ポメは棒を貸してあげることにしました。
子どもたちは棒を使って器用にボールを手繰り寄せます。
「よっしゃー!!」ぼちゃん
あっ、ボールを取ったら棒が池に落ちてしまいました!
ぼくの…棒……
がっかりしたポメの様子を見た子どもたちが、ごめんね、と代わりに近くの木になってたみかんを取ってくれました。
「うちの畑の敷地内だから大丈夫だよ」
綺麗なオレンジ色にポメの気持ちも少し上がってきます。
みかんを頭に乗せながらお散歩の続きです。
土手を歩くと、おじさんが疲れた様子で座り込んでいます。
「わぅ?」
だいじょうぶ?と覗き込むと、不思議そうにポメを見てくるおじさん。
だいぶ疲れてるんだね…あ、そうだ。
みかん、食べる?
ポメはおじさんの膝に頭のみかんをコロンと落としました。
「おや、綺麗なみかん…くれるのかい?」
わぅ!と返事をするポメ。
「ありがとう。いただくよ」
おじさんはみかんを食べ始めました。
器用なことに、食べるところには一切触ったりしません。というのも、おじさんの手は土まみれだったからです。
「ふぅー、ありがとう。いやぁ、山菜採りに来たんだけど水筒を落としちゃってねぇ。疲れすぎて休んでたんだよ」
おじさんは、ハハ…と苦笑いしながらポメに語ります。
「そうだ、助けてくれたお礼だ、半分あげよう。おうちの人に渡してくれるかな?」
おじさんはそう言って、袋の中身をはんぶんこにしてポメに渡してくれました。
なんか春の匂いがいっぱい!
「わふっ♪」とお礼を言って、ポメはありがたくもらうことにしました。
おじさんも少し元気が出て、帰るようです。
ポメも、思わぬ荷物ができたので、家に帰ることにしました。
「あらあらあら!すごいわね…ツクシにノカンゾウ、ウドにタラの芽も少しあるわ!」
お母さんはびっくりしながらうれしそうです。
今夜のおかずは天ぷらに決定ですね。
さすがにポメは天ぷらが食べられないので、晩ごはんはちょっぴりいいカリカリになりましたとさ。