『しばいぬとちいさな生き物たち』(松犬・しば)お散歩中のしばいぬが、川辺の箱に気づきました。
なんか…キュー、キューって聞こえるな?
なんだろう??
そっと覗くと、そこには……
なんと、丸くて小さい生き物と、茶色い生き物がいました。
このちっこいのは確か、ハムスターだっけな?
茶色いのは…タヌキにしたら色が変だなぁ、アライグマでもなさそう。
しばいぬはそう思いながら、ふんふんと匂いを嗅ぎます。
あれ?
茶色い方が元気がありません。
ハムスターはオロオロと心配してるようです。
ふんふん、ふんふん。
もしかしたら……
しばいぬは「わふっ」と鳴いて、生き物たちを背中に乗せました。
そして、いつも親切にしてくれる博士のところへ行きました。
「ホエ~、この子お腹が空きすぎて弱ってるダスね」
博士がそう言いながらリンゴを切って茶色いのにあげると、ガブガブと食べ始めました。
ハムスターにもリンゴを切り分けてあげます。
「ちゃんと助けてあげて偉いダス。君にもごほうびダスよ」
しばいぬもジャーキーをもらいました。やったー!
やがて、作業着を来た人達が茶色いのとハムスターを連れていきました。というか、2匹が離れなかったので一緒に連れていくことにしたようです。
数日後────
「今日は動物園にやって来ました!なんと、レッサーパンダと仲良しの動物がいるそうで…」
テレビのワイドショーの画面に、あの茶色いのとハムスターがリンゴを分け合って食べる姿が映ってて、びっくりするしばいぬなのでした。