コインランドリーの恋②「やあ、山姥切くん。また会ったな」
翌週の金曜日、二十二時半。
山姥切がコインランドリーに行くと、にっこりと笑顔で親しげに声をかけてくる三日月がいた。
その両手には先週の何倍も多い量の洗濯物がある。
名指しで声をかけられてしまった山姥切は思わず動きを止めてしまった。
かろうじて声を出し、状況を理解しようとする。
「な、なにしてるんだ……」
「聞いてくれ。どうやら俺はここの洗濯機にとことん嫌われているらしい。先週教わったとおりに利用してみたのだが、蓋は閉まらなくなるわ、水は止まらなくなるわ、端末にエラーが出て決済はできないわ……まあ散々でな!」
表情をこわばらせる山姥切の前で三日月は先週己の身に起こったコインランドリーでの惨事を語り、声を上げて笑った。
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