無精髭不死川とつるつる義勇さん「イツマデ寝テンダバァカー」と言う爽籟の鳴き声で目が覚めた。まだ半分眠っている脳みそでゆっくりと起き上がり、辺りを見渡す。そう言えば一晩中鬼を探して駆け回った俺は、夜明けと共に家の玄関を開け、そのまま布団へ飛び込んだはずだ。疲労が溜まり眠くて眠くて仕方なかったんだ。勿論俺は今超絶汚い。土埃で髪はボサボサギシギシ、隊服や体は泥やら何やらで汚れ、顔が痒いと指で触れれば無精髭がショリ…と音を立てた。
腹が減ったと大きく欠伸をして布団から出ると、途端に太陽を拝みたくなって雨戸を開け空を見上げた。いっちばん高い所からさんさんと降り注ぐあったかい光。不死川は一度深く深呼吸をすると、急いで雑に水を被り隊服を新しくして無我夢中で走り出した。
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