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    shimotukeno

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    ※※母が曾祖父から聞いたという寝物語をもとに書いたお話を童話として再構成した(ものをさらに日本語訳した)というていの5部のお話 その3 アバ茶~幹部昇進回

    ##ジョジョと結晶の王国

    3 最初の一歩 ポリープスからバッジをもらったつぎの日、ジョジョはブルーノに会いました。今日はブルーノの事務所に行って、そこで仲間を紹介してくれることになっているのです。
     道すがら、ブルーノは財布からコインを出しました。コインには、片面に王様の横顔が彫られています。この国の人間なら、誰もがおなじみのコインです。ブルーノは声を低くして、こう言いました。
    「実は、このコインに描かれた王様の姿以外、知らないんだ」
    「なんですって?」ジョジョは即座にききかえしました。
     ジョジョは、王様の姿をじかに見たことはありません。王様は王都ロマティヌスにいますから、ナープラにいるジョジョが見たことはないのは当然です。役人でも下っ端ならじかに見たことがなくとも不思議ではありません。けれどコインの姿以外を『知らない』なんてこと、あるでしょうか?
    「王様は、今年で即位三十年だ。だが、このコインの絵は一度も変わっていない。三十年前の姿のままなんだ。十数年前、重い病気にかかって、顔におおきなできものが出来たため、人前に出なくなったと聞いたことがあるが、それもウワサでしかない」
    「では、今の王様がどんな姿をしているかもわからないんですか?」ジョジョはききました。
    「そうだ。王様の姿を見ることはごく一部の人間を除いて誰にも許されていない。見ようとすることも許されていない。たとえ王族であろうとな」
    「なにかあったんですか?」
    「二年前、王様の甥御が落馬がもとで亡くなっただろう。だが本当のところは王様を不審に思って探りをいれたために、怒りを買って殺されたと聞いている。もちろん、そんなことはほとんどの者は知らない。俺はポリープスから聞いたから知っているだけだ」
     ジョジョは驚きあきれて、口をあんぐりと開けました。
     二年前に亡くなった王様の甥――妹君の息子ですが――は子供のいない王様のたった一人の跡継ぎでした。そんなたった一人の跡継ぎまで手にかけるとは、正気を失っているとしか思えません。現在は表面上、王様が何事もなく治めているように見えますが、王様はすでに在位三十年、次に誰が王様になるのか、国民も気にし始めています。だというのに、王様は一体なにを考えているのでしょう? それとも、何も考えていないのでしょうか? いずれにせよ、もはやそんな人物を王様にしてはおけないとジョジョは思いました。
    「王様の機嫌を損ねると、跡継ぎでさえ殺されるのですね。少しでも疑われれば、下っ端の役人なんてひとたまりも無い。それでもやるのなら、力をつけて、王様に信頼されなくてはいけない。つまり、うんと出世して、王様の懐に入り込むしかないってことですね」
    「そういうことだ」ブルーノは重々しく答えました。
     それからしばらく歩いていると、赤い屋根の建物が見えてきました。ドアの横からは、鉄製の突き出し看板が控えめに主張しています。「あれが事務所だ」と、ブルーノは言いましたが、役人の事務所というよりは、小さなレストランのようだとジョジョは思いました。あとからわかったのですが、実際に昔レストランだったところを今は事務所として使っているので、ジョジョの感想は当たっていました。
     その事務所の前にはすでに二人のおばあさんがいて、ブルーノの姿を認めると、駆け寄ってきました。どうやらブルーノのことを待っていたようでした。
    「ブルーノ、ブルーノ、聞いてほしい話があるんだよ」と、深刻な顔でおばあさんは言いました。
    「うん、ジョジョ、すまないがそこで待っていてくれ」
     ブルーノはそう言うと、二人のおばあさんと共にベンチに向かいました。ジョジョは家の前で待つことにしました。ブルーノの話では、全員精霊を持っていて、揃って血の気が多いそうです。そんな中にいきなり入って攻撃でもされたらたまったものではありませんからね。その代わりに、窓からそっと覗いてみると、中に四人の若者が、円いテーブルを囲んで座っていました。ジョジョはぴったりと耳をくっつけて、彼らの会話を聞きました。 
    「オランチア、あなたは立派です。小学校のかけ算を教えてほしいだなんてね、なかなか言えるものじゃあありませんよ。今まで頑張って覚えてきたんですから、あなたならできます」
     蜂蜜色の髪をした少年が、ノートの前で頭を抱える黒髪の少年、オランチアを励ましていいました。ノートには、小学校で習うような、二桁同士の基本的な掛け算問題が書かれています。しかしオランチアはどうみても小学生ではなく、ジョジョと同じか、むしろ少し年上に見えるくらいの少年です。蜂蜜色の髪の少年も、オランチアと同じくらいに見えますが、いくらか大人びた雰囲気を纏っています。
    「オランチア、ゆっくりでもいいんです。一つ一つ解いていけばいいんですよ。まずは六かける五からやってみましょう」
     オランチアはしばらく「ろくご、ろくご……」とうなると、「三十だ!」と声を上げました。
    「そう! この調子ならすぐ解けますよ!」
    「ようし、フラゴラ、俺やってみるよ!」
     フラゴラと呼ばれた蜂蜜色の髪の少年は満足そうに微笑みました。
     一方、同じテーブルでは、二人よりも少し年上の帽子の青年が、テーブルに置かれたケーキについてブツブツと不満を言っているようでした。
    「このケーキ、残り四つじゃあねーか! 俺は四っていう数字が嫌いなんだよ! いや、嫌いなんてもんじゃあねえ、四って数字はこの上なく不吉なんだ!」
    「またですか、ミシェレ? じゃあ食べなきゃいいでしょ!」と、フラゴラは呆れたようにつめたく言いはなちました。帽子の青年、ミシェレが「四」という数字について騒ぐのはいつものことなのです。
    「俺はケーキが食べたいの!」
     子供っぽく叫ぶミシェレに、フラゴラはますます呆れ顔になりました。すると、オランチアが嬉しそうに両手を上げました。問題が解けたようです。
    「フラゴラ、出来たよ!」
    オランチアが得意げにノートを差し出すと、フラゴラは「どれどれ?」と優しい顔になって答えを確認します。
     しかし、フラゴラの下がった目尻は次第に吊り上がり、上がった口角はどんどん下がっていきます。オランチアの導き出した答えは二十八でした。十六かける五十五の問題でです。皆さんも解いてごらんなさい。でも、ノートに書かずとも、少なくとも、二十八にはなりようもないことはすぐお分かりでしょうね。まさに奇妙奇天烈、摩訶不思議、幻想的で奇々怪界、エキセントリックで超常的な解に、フラゴラは「なにこれ」とすっかり感情を失った声で呟きました。
     しかし、オランチアときたら「どう? 当たってる?」と、正解を疑いもせず得意げです。
     フラゴラの中で何かがぷっつりと切れました。
     次の瞬間、オランチアのほっぺたから血が吹き出し、ジョジョはあっと息を飲みました。というのも、フラゴラが手元にあったフォークでフラゴラのほっぺたを突き刺したのです! 
     そして、とてもここには書けないような罵詈雑言をぶつけると、オランチアの髪を掴んで、頭をテーブルに叩きつけました。でも、オランチアも負けてはいません。どこからかナイフを取り出すと、「よくもそんなひどいこと言ったな? 殺してやるぜ、フラゴラ!」と言って、フラゴラの首筋にナイフを当てました。
     いつの間にか三つになっていたケーキを頬張りながら、ミシェレはその二人のいさかいを何食わぬ顔でながめていました。フラゴラとオランチアがこんな喧嘩をするのも、よくあることなのです。
     さて、紹介が遅れましたが、テーブルにいるもう一人はアバティーノといい、ブローノと同い年くらいの青年です。彼こそ、四つあったケーキをさりげなく三つにしてくれた親切な青年です。しかし、アバティーノも彼らを止める様子もなく、先ほどのやりとり全てを、まるでレストランの演奏のように聞き流していたのでした。
     この四人組がブローノの部下で、そして、一応王の役人でもあるのです。ブルーノの言う通り、血の気の多い青年ばかりですし、彼らの精霊の秘密も、簡単には教えてくれなさそうです。それでもジョジョはこの四人と、これから絆を深めていく必要がありました。
    「どうした?」
     用事を終えて戻ってきたブローノは、中の様子をじっとうかがっているジョジョに聞きましたが、ジョジョが答えるより先に、漏れ聞こえる騒ぎ聞いて全てを察したようでした。ブローノはやれやれ、と言うように肩をすくめると、扉を勢いよく開けて、騒ぎに負けないくらい大きな声でいいました。
    「お前達何をしているんだ! 昨日言った新しい仲間を連れてきたから、愛想良くしろよ!」
     四人の視線が、一斉にジョジョに注がれました。
    「ジョルジョーネです。今日からよろしくお願いします」と、ジョジョは礼儀正しく言いました。
     ですが、四人はジョジョがまだ年若い少年なのをみて、「いじりがいのあるやつがきたぞ」とにやついています。すると、アバティーノがカップにお茶を注いで、ジョジョの方に差し出しました。
    「話は聞いてるよ。ジョジョって呼ばれているそうだな。まあ、お茶でも飲んで、話でもしようぜ」
    「ありがとうございます。いただきます」
     ジョジョはカップを取って口に近づけると、お茶ではない臭いに気がつき、「うっ!」と声を上げました。
    「どうした?」アバティーノはほくそえんで言いました。「いただきますって言ったのに、飲んでくれないのか?」
     それはやけに黄色く、なまぬるい『お茶』でした。
     みなさんも一日に何度も目にするでしょう。人間じゃなくとも、よく知ってます。けれど、飲む人はあまりいません。むしろ体から出ていくものです。
     さて、ジョジョが今何を飲まされそうになっているか、敢えて書きませんが、賢い皆さんならもうお察しでしょう。フラゴラもミシェレもオランチアも、お茶の正体に気づいてニヤニヤと薄笑いを浮かべています。ただ一人、ブローノは、カップがジョジョの体の影になっているので、中に入っているお茶の正体がわかっていないのですが、何かが仕掛けられているらしいことは感じ取っていました。
    「お前ら、何かジョジョにふざけたことをしたんじゃないだろうな」と、ブローノは少し怒った様子で言いました。しかし、ジョジョは、
    「いいえ、大丈夫ですよ。ええ、いただきますとも」と平然とした顔で言うと、勢いよくカップを仰ぎ、一気に口の中に流し込んでしまいました!
     四人は同時に息をのみます。まさか本当に飲むとは思っていませんでした。アバティーノも他の三人も、新入りのジョジョが困って「参った」と言うのを見たかっただけなのです。というのも、きのう、ブルーノはいつになく上機嫌でジョジョのことを四人に話したのですが、四人はそれがちょっぴり気に入らなかったのでした。四人とも、ブルーノのことが大好きですから、ブルーノに会ってすぐのジョジョが、そんなにもブルーノに気に入られていることに、やきもちを焼いていたのです。
    「うわーっ! ばっちい!」一瞬の静寂の後、オランチアが悲鳴のような声を上げました。
    「そんなはずはない! きっと手品のようにどこかに隠したんだよ」フラゴラは考え込みながら言いました。
    「お前、面白い奴だな!」ミシェレは感心して言いました。
     アバティーノは、あまりのことにおどろきあきれて、声も出ません。別に、おしっこ(ああ、結局書いてしまいましたよ!)を飲ませる趣味は、これっぽっちもないのです。
    「どうやったんだ? なあ、俺にだけ教えてくれよ!」
     身を乗り出すミシェレに、ジョジョは得意な顔でこう言いました。
    「さあね。君達だって『能力』を秘密にしてるんだろ?」
     タネを明かしますと、ジョジョは前歯の一本をクラゲに変え、上手にお茶を吸い取らせたのです。でも、お茶は消えたわけではなく、クラゲになった歯に貯水されているわけですが、この後はどうしたのでしょうか? ま、それはともかく、ジョジョはうまくやったようです。
     それにしても、ジョジョを困らせるつもりが、逆に一杯のまされてしまったので、四人はジョジョに一目置かざるをえなくなりました。ブルーノは、何が起こったのかはわかっていませんが、ともかくみんながジョジョを認めたようだとわかってほっとため息をつきました。
     そこに、二人の配達人が事務所に入ってきました。配達人の一人は、部屋に入るなり、
    「ブルーノ、みんなも揃っているようじゃな」と言いました。
     ブルーノは、配達人の正体にすぐ気づき、みんなにむかってさけびました。
    「執政官のペリラスさんだ! みんな、ペリラスさんに『礼』だ!」
     ブルーノの言葉に、全員ははじかれたように頭を下げて礼を示しました。ペリラスは帽子をとると、笑って全員に直るよういいます。ペリラスは背が低く、髪も髭も真っ白なおじいさんで、表情には優しさが滲んでいますが、目の奥には王都の上級役人らしい鋭い光がありました。彼は王様が即位した時からずっと仕えており、王様が一番頼りにしている役人の一人だと言われています。でも、ペリラス自身は今の王様のことをどう思っているのだろう? とジョジョは興味深くペリラスを見つめていました。
    「しかし、ペリラスさん、わざわざこちらへ来られずとも、我々が向かいますのに」ブルーノは言いました。
    「いいや、危急の用件なのじゃ。実は昨日、ポリープスが突然拳銃自殺したのじゃよ……」
     四人は顔を見合わせました。四人とも、ポリープスとは面接で会ったことがありますが、自殺なんてする人間には思えませんでした。
    「あのポリープスが……本当に、自殺なのですか?」
     フラゴラは慎重にききました。
    「本当じゃよ。警察が捜査したが、ポリープスは自分の銃を自分の手で持ち、口に咥えて引き金を引いたとしか考えられないそうじゃ。これでは自殺以外の何物でもない」
     ペリラスが重々しく言うと、四人は再び顔を見合わせ、口をつぐみました。ジョジョは表情を変えることなく、次の言葉を待ちました。ブルーノも同様でした。
    「そこで、じゃ。ポリープスの後任に、ブルーノ、君を任命したい。君はポリープスが一目置いていたし、このナープラで住民に慕われていると評価が高い。こんな時だから、君がおさめてくれれば住民も安心できるじゃろうとね」
    「ってことは、ブルーノがナープラの長官になるのかよォーッ!」思いもよらない大抜擢に、オランチアがたまらず口をはさみました。
    「そういうことじゃ」ペリラスは優しい顔でほほえみました。「だから、お前さんたちもこれまで以上に頑張ってもらわんといかんぞ。そして……ポリープスの後任ということは、彼のやり残した仕事も引き継いでもらわんといかんのだが……」
    「やり残した仕事、とは?」ブルーノがききました。
    「トリシア、おいでなさい」
     ペリラスは後ろにいたもう一人の配達人に声をかけました。配達人は前に進み出ると、帽子とコートを脱ぎます。ぶかぶかとしたコートでよくわかりませんでしたが、トリシアはジョジョとおなじ年頃のかわいらしい女の子でした。ばらの若葉のような色の目は、ところどころにピンク色の琥珀糖をちりばめたような、不思議なきらめきを持っています。ばら色の髪は、前髪のあたりが大きな巻き毛になっていて、大きなばらの花が咲いているかのようです。ばらの精のような女の子でした。
    「トリシアは王様の娘じゃよ」
    「えっ!」一同は同時に声を上げました。
     それもそのはずです。王様には子供がいないはずですし、唯一の跡継ぎも二年前落馬で――名目上はですが――死んでしまいました。王様の本当の娘だとすると、次の王様になる可能性だってあります。しかし――いったいなぜ、突然王様の娘がブルーノのもとにやってきたのでしょう? ペリラスの話には続きがあるようでした。
    「最近になって存在がわかったんじゃ。トリシアの母親は数ヶ月前に亡くなったのじゃが、亡くなる少し前に、取り残される娘を心配して、神殿に伺いを立てたのじゃ。父親の居場所を教えてほしい――とな」
     ペリラスの話は、こうでした。
     自分の死期をさとったトリシアのお母さんは、昔恋人だった男――つまりトリシアのお父さんの居場所を教えてもらいに、神殿に向かい、神託を受けることにしました。しかし、神官の言うことには、今の王様こそがトリシアのお父さんだということでした。神官は神様のお告げをねじ曲げることは許されていません。つまり、神様と神官の間で致命的な伝言ミスがない限り、トリシアのお父さんは王様ということになるのです。
     この衝撃的な神託は、王様の知るところとなりました。そして、信頼するペリラスに、トリシアをすぐ王宮に送りとどけるように命令したのです。つまり、王様自身もトリシアを自分の娘と認めたのと同じことです。
     しかし、ここで問題が起きました。この先は、ペリラスの話を聞いてみましょう。
    「神託の話が、別の者たちの耳にも入ったようなのじゃ。そう、王様に反逆心を持つ者達の耳にな。奴らは王様に反逆し、成り代わろうと考えておる。奴らにとってトリシアの存在は大きな好機じゃ。王様のことを何か知っている可能性があるからのう。お前達には、このトリシアを反逆者たちから守ってほしいのじゃ。わしには、精霊はおらぬからのう、そこでポリープスに任せるはずだったのじゃが……」
    「……つまり、反逆者たちは精霊を持っていると?」
     ブルーノがきくと、ペリラスは真剣な顔で頷きました。
    「反逆者達の正体はわしらも調べておる。それくらいしかしてやれんがの。しかと託したぞ!」
     ペリラスはブルーノの方を力強く叩くと、事務所から出て行きました。
    「色々なことが起きすぎて、わけわかんないよ、俺え」
     ペリラスが見えなくなってから、オランチアは呆然とした顔でつぶやきました。
     この短い間に、様々なことがありすぎたので無理もありません。
     ブルーノが新入りを連れてきたかと思えば、その新入りは平気な顔でおしっこを飲み干してしまいましたし、執政官のペリラスが来たかと思えば、あのポリープスの自殺を伝えられるし、ブルーノをナープラの長官にしてくれたかと思えば、突然現れた王様の娘を反逆者の手から守ってほしいと難しい仕事を任せてきたのです。
     オランチアは算数は苦手でしたが、任された仕事がどんなに難しい仕事であるかはよく理解していました。もしトリシアを守り切れなかったら、王様の怒りをかって縛り首になるかもしれませんし、守り切れたとしてもトリシアに何か失礼なこと――怪我をさせるとか、うっかり水をひっかけるとか――をしたら、王様に伝わってこれまた縛り首になるかもしれません。
     でも、うまくいけば王様はとても褒めてくれて、出世できるでしょう。将来の女王様最有力候補であるトリシアとも仲良くできれば、未来はばら色まちがいなしです。
     だからこそ、難しい大変な仕事だということは皆わかっていました。もちろん、ジョジョ自身も――。
     彼の夢の第一歩目は、高い崖の綱渡りとなりました。ですが、この綱は、確実に王様に繋がっています。おじけづくジョジョではありません。ジョジョは、綱の先に黄金の輝きを見据えていました。

     
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