Case:Wolf1
ざわざわと聞こえる人々の話声。
今、学校は昼休みの真っ只中で、人々は雑談に花を咲かせながら必死に昼食を消費していく最中だった。無論、私もその例外ではなく、自分の席に座ってつい先ほど購買で買ってきたサンドイッチを頬張っているところだ。今日はたっぷり具の入ったたまごサンド。
私の席の周りには同じクラスの女子が数人座っていて、それぞれ好き勝手にお喋りをしていた。
「絶対、主人公くんさ、ヒロインのこと好きなのに意地悪しちゃうの、すっごく可愛いよね!」
「わかるわかる! ヒロインちゃんがちょっと不貞腐れたあと見てないところで微笑んじゃうの、最高だったね!」
「は〜あ、早く来週にならないかなあ」
「あ、アンちゃんごめんね、興味のない話だったでしょ」
9702