【春、呪いが解けゆくような】
足で雄を扱かれる。痛みだけではない何かが奥から込み上げてきて、もっと、と強請るような視線を送ってしまう。自分のものであるはずの感情が自分でコントロール出来ない。
どうしてこんなことになったのだったか。それは改めて自問するまでもない、俺が問いの答えを誤魔化したせいだ。
「次は俺の何を褒めそやすつもりだ?」
主人の冷たい声でまた絶頂を迎える。ちかちかと視界が白み、何も考えられなくなっていく。幾度目かも分からぬ吐精と共に、耳を塞ぎたくなるような自身の喘ぎ声も、制御出来ず漏れ出ていった。
◆
「フェンリッヒ、お前は俺をどう思っている」
地獄と言えど季節感というものはある。例えば今、執務室でアイテム整理をしているのも季の変わり目の風物詩と言えるだろう。防具としての効果はともかく、この時期にガウンなど暑苦しくてとても着られたものではない。倉庫室の薄手の防具と移し替えて……という衣替えとも言える作業をこなしている時のことだった。
7545