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    last_of_QED

    @last_of_QED

    ディスガイアを好むしがない愛マニア。執事閣下、閣下執事、ヴァルアルやCP無しの地獄話まで節操なく執筆します。デ初代〜7までプレイ済。
    最近ハマったコーヒートーク(ガラハイ)のお話しもちょびっと載せてます。

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    last_of_QED

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    主人に危機感を持って貰うべく様々なお願いを仕掛けていくフェンリッヒ。けれど徐々にその「お願い」はエスカレートしていって……?!という誰もが妄想した執事閣下のアホエロギャグ話を書き散らしました。

    #執事閣下
    deacon
    #フェンヴァル
    fenval
    #ディスガイア
    disgaea

    【信心、イワシの頭へ】



    「ヴァルバトーゼ閣下〜 魔界上層区で暴動ッス! 俺たちの力じゃ止められないッス!」
    「そうか、俺が出よう」

    「ヴァルっち! こないだの赤いプリニーの皮の件だけど……」
    「フム、仕方あるまいな」

    何でもない昼下がり、地獄の執務室には次々と使い魔たちが訪れては部屋の主へ相談をしていく。主人はそれに耳を傾け指示を出し、あるいは言い分を認め、帰らせていく。
    地獄の教育係、ヴァルバトーゼ。自由気ままな悪魔たちを良く統率し、魔界最果ての秩序を保っている。それは一重に彼の人柄、彼の在り方あってのものだろう。通常悪魔には持ち得ない人徳のようなものがこの悪魔(ひと)にはあった。

    これが人間界ならば立派なもので、一目置かれる対象となっただろう。しかし此処は魔界、主人は悪魔なのだ。少々横暴であるぐらいでも良いと言うのにこの人は逆を征っている。プリニーや地獄の物好きな住人たちからの信頼はすこぶる厚いが、閣下のことを深く知らない悪魔たちは奇異の目で見ているようだった。

    そう、歯に衣着せぬ言い方をしてしまえば、我が主人ヴァルバトーゼ様は聞き分けが良過ぎた。あくまでも悪魔なので善良が過ぎるとかお人好しとかそういう訳ではないのだが、どうにもこの人は相手の話を受け入れ過ぎるきらいがある。ホイホイ交わしてしまう約束のこともそうで、執事である俺、フェンリッヒの頭を度々悩ませてきた。懐の広さは分かるのだが、少しは疑ってほしいもの。そうしなければこの人は何でも「そうか」で相手の言い分を聞き入れてしまいかねない。

    そう、何でも、だ。

    主人の危機管理能力向上をはかるのも執事の務め。大怪我をする前に貴方がしていることの危うさを自覚していただかなければ……そんな使命感を胸に狼男は人知れず、何処か愉しげに画策を始めた。





    日暮れを報せるゾンビの咆哮がやかましい。陽が完全に落ちたその刻を見計らい、執務室で黙々と書類に目を通していた主人に声を掛ける。

    「閣下。今宵一晩、お側に居ることをお許しいただけますか」
    「一晩? 何故だ」

    窓の外をご覧ください、そう告げカーテンを僅かに開けると窓枠の向こうには妙に深い暗がりが広がっていた。主人の問い掛けに神妙な面持ちで返事をする自分が、我ながら白々しいと思う。

    「今宵は罪の月、新月。これは予感、明確な根拠がある訳ではないのですが……敵の襲来のような嫌な気配があるのです。統計上罪の月に奇襲をかける者は一年を通して最も多く、闇に紛れる新月ともなれば尚更です。ただの杞憂であれば良いのですが、念には念を。我が主人に何かあってはいけませんから」
    「……そうか、お前がそう言うのなら任せよう」

    閣下からの返答として幾つかのパターンを想定していたが、そのシミュレーションは全くの無意味に終わった。こうも簡単に了承されてしまうと拍子抜けする。この人は、疑うことを知らないのだろうか。理由があればこんな調子で誰とでも夜を共に過ごしてしまうのではないか?
    頭を抱えたいのをグッと堪える。ご自身のために今回は少しだけ怖い目に遭っていただきますよ、閣下。
    心の中で主人に話し掛けながら無表情を装う自分が徐々に滑稽に思えてくる。込み上げてきそうな微笑を抑え込み、次の一手を打つ準備にかかる。

    切りの良いところまで、と仕事に励む主人の部屋の時計は既に0時をまわろうとしている。デスクへハーブティーを淹れ置くと閣下が顔も上げずに尋ねる。

    「今宵は何を淹れたのだ?」
    「パッションフラワーのハーブティーになります。お口に合えば良いのですが」
    「受難の花か、中々良い趣味ではないか」

    パッションフラワー、キリストの処刑を象徴する花だ。この花を好む悪魔は少なくない。
    しかし毒々しい見た目を愛でる悪魔はいても、ハーブティーとして飲む悪魔はそういないだろう。当然、催眠・安眠効果があることをこの人は知らないと踏んで差し出している。

    無事閣下の口元に運ばれるティーカップを横目に、あと15分もすればペンは主人の手元からこぼれ落ちるだろうと読んだ。
    そして予想とそう違わずデスクにかつんとペンの落ちる音がして、俺は閣下の肩を抱く。

    「閣下、根を詰め過ぎです。今日の執務はこの辺りに致しましょう」

    執務室を後にして、向かう先は俺の部屋だ。





    「閣下、今晩はやけに冷えませんか。随分とお疲れのようですし、お身体に障ります。私の部屋で恐縮ですが……棺では無くベッドに入った方が宜しいかと」
    「ん……そうだな」

    ぽわぽわと眠たげなのはハーブティーの所為もあるだろうが日頃の疲れが溜まっている証でもあろう。あまり無理はしないでほしいものだ。
    余程眠いのか、あるいは寝床にこだわりがないのか。いずれにせよ、主人は誘導されるがままに俺の部屋のベッドに横になった。
    そのまま目を閉じ、くうと眠りに落ちてしまった主人の無防備さに今度は実際に頭を抱える。
    そういうところです、閣下……小さく呟き寝顔を堪能すると、上着を脱ぎ、グローブを外して自分もベッドへと上がった。





    「ヴァル様……どうかこのフェンリッヒを助けてほしいのです」

    自分でも必要以上に要求がエスカレートしている自覚があった。しかしこれも閣下に危機感を持っていただくため。そう言い聞かせ、事を成り行きに任せることにしたのだがそれが大きな間違いであった。
    寒さを理由に添い寝を迫ったところ、何を思ったか、閣下はイエスの返事の代わりに脚を開いて膝の上へと乗って来た。当然、向かい合い、密着する。その上、背中を優しくさすられて、妙な気持ちが込み上げる。至近距離で嫌でも目が合い、どぎまぎしてしまう。……まさか寒がるシモベを暖めているとかそう言うのではないでしょうね。どうか違うと言ってください。
    眠たげに震える長い睫毛、透けてしまいそうな白い柔肌、癖のある漆黒の髪。いつも間近で見ているはずの姿だが、改めて美しい人だと思わされた。しかしそれ以上に自身の胸の鼓動が気になって、自分でも動揺してしまう。閣下にこの心音が伝わりやしないか、そればかりが気掛かりだった。

    閣下は微睡みと覚醒の狭間でフフ、と柔らかい笑みを此方へと向けた。

    「良いぞ、助けてやろう。シモベの世話をするのも主人の務め。して、具体的にはどうすれば良いのだ?」

    俺に教えてくれ、フェンリッヒ。耳元でそう囁かれ、遂に理性は彼方へと消えた。





    閣下が自ら腰を振る姿が背徳的で、直視出来ない。動きとしては覚束ず、さほど大きな快感が押し寄せて来る訳ではないのだが何せ視覚からの刺激が強すぎる。くぐもった声を漏らしながら細い腰を上下に動かし、時折律動を止めてふるり、小さく感じ入っている主人が艶めかしく、気が狂いそうになる。

    何をやっているのです、閣下。
    いや、一定程度誘導したのは俺だが。しかし此処までのことは誓って要求していない……!

    ぎこちない兜合わせにピクンと震えては肩で息をしている閣下はこれは確信犯なのではないか。誘っているのか。もう建前はどうでも良いのでは? そうか、ん、良いぞ、の三点セットを閣下自身が展開した以上、このまま押し倒されたって文句は言えないのではないか。というかこんなのを前にしてこのまま見ていろという方が無理な話なのだ。
    好きに動いていた主人の腰に軽く手を添え、こちらも下から緩い振動を与えてやる。我慢するような声が甘く溶け出てつい、あてられてしまう。
    興奮と、当初の計画と。ふたつが頭の中でごちゃ混ぜになり、自分が冷静さを欠いていることを自覚する。ギリ、と奥歯を噛み締め、困った主人へ何とか問い掛ける。

    「まさか閣下は乞われれば何でも受け入れてしまうのですか?」
    「なんっ、の、ことだ……?」
    「どんな相手であれ、言葉を聞き入れ理解に努める。それはきっと魔界において貴方様しか持ち得ない美徳です。ですが……」
    「! やめろフェンリッ……〜〜っ」

    擦り合わせていた互いの雄を手で握り、一纏めに扱くと閣下の先端からぴゅると体液が飛び散った。まわされた腕にぎゅうとしがみつかれて、背中に爪が突き刺さる。痛いのだが、同時に嬉しさが込み上げるのはどういう訳か。
    上気する主人を柔く抱き締め、返事を求めぬ独り言としてぽつりと溢す。

    「危惧しているのです、閣下……悪意に満ちた魔界においてその寛容さは、いつか貴方自身の首を絞めるのではと」

    現にこうして危ない目に遭っている訳で……これが私でなければどうするおつもりだったのです。そんな消え入りそうな声色から、吸血鬼本人にも想いは伝わったらしい。火照りが冷めると、仕様がない奴めと優しく溜め息が吐かれ、主人は従者を諭す。

    「フェンリッヒ、人間界に『疑心、暗鬼を生ず』という言葉があるのを知っているか」
    「いわゆる疑心暗鬼のことでしょうか。魔界に供給される畏れエネルギーの一端と認識していますが」
    「ウム。疑ってかかり過ぎるとその内ただの暗闇にいもしない鬼がいるように思え、終いには何でもかんでも恐ろしく感じてしまうことを言うようだな」

    まあ、人間が気付かぬだけで本当に悪鬼の類は闇に潜んでいるわけだが……と枕を抱きかかえながら閣下はくつくつ笑った。

    「疑心。何かを疑い、否定し拒絶するというのは至極簡単なのだ。力を以って跳ね退けてしまえば良いだけなのだからな」

    枕元に隠しておいたコンドームの箱を目ざとく見つけた主人が爪で弾く。それはベッド脇へと転がり落ち、軽い音と共に視界から消えた。

    「だが、それでは進歩がない。発展がない。むしろ閉鎖的になり、変わること、別の考え方を受け入れることが段々と恐ろしくなっていく」

    独りよがりの暴君ではやがて己の首を絞めることになりかねんのだ。
    閣下は穏やかな表情で俺の頭を撫でた。貴方を想ってのこととは言え、謀るような真似をした私にどうしてそんな風に微笑みかけるのですか、これは意趣返しだとでも言うつもりですか。
    俺の言葉を待たず、目の前の人は言う。

    「だから、と言う訳ではないのだが」

    閣下が此方へと目配せする。その目は確かに俺の胸の内を見透かしている。
    ようやく分かった。優しいとか、甘いだとか、この人を表すのは断じてそんな言葉ではないことが。白手袋の手招きに抗えず、伸ばされた手を取る。

    「俺は受け入れよう。お前は心配してくれているのだろう。同時に不安でもある、ただそれだけのことだ。違うか?」

    この人は強いのだ。何者かの欲、願望、思惑が滲んでいてもなお、それを見据え、聞き入れんとする。良きものを良きものとして取り入れ、時には在るが儘を在るが儘として受け入れ、己の思想を絶対と定めない。魔神クラスの悪魔ともなれば覇道を征きがちであるが、この人は逆なのだ。それは強さというより他にない。

    己の浅慮に恥じ入りながら、主人の気高さを再認識する。やはりこの人こそ世界を統べるに相応しい。今回のことはシモベには出過ぎた憂慮であった。そう猛省し、閣下の足の甲へと遠慮がちに口付けを落とすと、上から思わぬ言葉が降って来た。

    「そういえばお前はまだ達していないだろう。もう少しだけ付き合ってやらねばな」
    「……はい?」

    閣下を見上げると、そこには愉快と言わんばかりのしたり顔。何が始まってしまうのか、少し想像しただけで目眩がした。
    もういい、今度こそどうにでもなってしまえ。俺は抗うことをやめ、思考を完全に手放した。





    過剰なまでのローションが主人の下半身に妖しく纏わりついている。ベッドに手をつく主人の背後から、勃ち上がる己を脚の間に抜き差しすると粘性を伴った水音がぬちゃ、と卑猥に響いた。閣下のものとも触れ合い、変な気持ちになってゆく。所謂、素股であるがこれでは穴に抜き差しする性交のほうがよほど健全だったかもしれない。

    挿入しないというだけで結局危ない目に遭わせているのが本末転倒、何ともお粗末で呆れる他ない。
    頭では分かっていても身体が反応してしまう自分を恨みながら、それでも滑らかな肌の感触を楽しんでゆく。
    胸に手を伸ばし、両の突起を摘んでやると悩ましげに身体をくねらせ、脚の締め付けが強くなる。てっきりくすぐったいと子どものように笑うのかと思いきや、それなりに感じているらしい。愛おしくなって、キスを強請ると主人は健気に応えてくれた。
    情緒的な交流の末、遂に快楽の波に呑まれると分かり、細腕を引き寄せスパートをかけると閣下が苦しそうに喘ぐ。

    「ヴァル様、すみません……っ」

    主人の股に飛び散った白濁の精液にえも言われぬ罪悪感を覚え、目を覆いたくなる。そして、崩れ落ちたところを抱え込んだ腰のなんと華奢なことか。間違っても折ってしまわぬようそっと抱き寄せ、そのまま二人でベッドへ転がり込む。心地良い温かさに包まれて、どちらからともなく眠りに落ちた。





    「フェンリッヒ、昨晩の言葉を覚えているか」
    「はい、閣下の高貴な心の有り様を再認識する良い機会となりました。疑心、暗鬼を生ず。人間の生み出す言葉もたまには言い得て妙ですね」
    「おまけにもうひとつ人間界の言葉を教えてやろう。俺のお気に入りでな、『鰯の頭も信心から』と言う」
    「イワシ……ですか……」

    ウム! といつもの調子で主人のイワシ語りが幕をあけた。言わずもがなであるが昨晩は敵の襲来などあるはずもなく、二人は同じベッドの上、穏やかな朝の薄陽に包まれている。

    「疑心暗鬼の逆を行く言葉と言えるかもしれん。取るに足りないものでも信じようとする者にとっては、尊く価値のあるものとなる。そんな意味合いの言葉なのだ。人間界における最も良いイワシことわざと言える」
    「イワシことわざ」
    「安価なイワシの、それも捨ててしまうような頭でさえも信じる対象になり得るのだ。……信じるということ、それに伴う人間の力というのは、心底不思議なものだと思わないか」

    無論俺はイワシであれば頭も捨てたりはしないと凛々しく宣言する主人が妙に眩しい。
    我が主人、ヴァルバトーゼ閣下。すぐ隣に来て手を差し伸べたかと思えば、その手を離してまた少し先へと行ってしまう。
    ──どうかこの先もそうあってほしい。きっと、従者は主人に振り回されるぐらいで丁度良い。不思議とそう思える朝だった。

    「ええ、本当に。この世の不可思議は尽きませんね」

    俺の相槌に閣下は続ける。疑う故にただの暗がりにすら怯える者、信じる故にイワシの頭さえ有難がる者……はたから見ればどちらも阿呆のように映るだろう。しかし。なあ、フェンリッヒ。どうせ同じ阿呆ならば、信じるという力に踊らされて生きた方がなんだか愉快ではないか。
    問われ、どうだろうか、閣下が言うならそうかもしれないと目を閉じると"踊れ愚か者ども"と頭の中で軽快なメロディーが流れ出す。はて、妙に耳に馴染むこの曲はなんだっただろうか。

    「やはり貴方様は恐るべき力をお持ちです。……この度は恐れ入りました」

    ですが、一晩何者かと同じ部屋で過ごす等ということはくれぐれも今後お控えください。例え相手がこのフェンリッヒであったとしても。そう告げるとバツの悪そうな顔で主人は頷いた。
    肌寒そうな白い肩に気付き、毛布を掛け直してやると主人は満足げに口元にまで引き寄せた。強いけれど、目の離せない、可愛い人だと思う。そして可愛いその人は穏やかな朝を吹き飛ばす、プリニー爆発かの如き一言を放った。

    「ところで昨晩敵の襲来はなかったな? お前の嗅覚も衰えたのではないか、月光の牙よ」

    いつものお前らしくないではないかと言いたげな閣下のニヤリ顔に変な汗が出る。話は綺麗に纏まりつつあったのだが、どうも雲行きが怪しくなって来た。

    「……それは此度、閣下に危機感を持っていただくための嘘八百と言いますか……まさか今の今まで信じておられたので……?」
    「……謀ったのか、フェンリッヒ……」

    やはりこの人は危険だ。天を仰ぐ。こんなことでは俺の身がもたない、心配は尽きない。閣下が強い人なのは今回良く良く分かった、それでも。俺が言うのもなんだが。

    「……閣下、少しは疑ってください!!」

    悲鳴混じりに叫ぶ狼男の声は地獄全土に響き渡ったという。


    fin.


    ++++++++++++++++++++


    ヴァルバトーゼ閣下は(悪魔にしては)物凄く相手の話を聞きますよね。挙句ホイホイ約束を交わしたり……暴を振るえば閣下が強いので実のところ心配には及ばないのですが、執事はなんとも落ち着かない日々を送っているのでしょう。このままでは閣下は何でも(えっちなお願いも)聞き入れてしまうのではないか。そんなのはいけない。(フェンリッヒ談)
    少し痛い目に遭えば閣下も変わるかもしれない、そんな思いから主人に様々なお願いを仕掛けていくフェンリッヒ。けれど徐々に歯止めがきかなくなり、その「お願い」はエスカレートしていって……?!
    という誰もが妄想した執事閣下のアホエロギャグ話を書きました。この導入で皆さまも創作してください何でもします。どうぞよろしくお願いします。
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    Deep Desire【悪魔に愛はあるのか】の後日談として書きました。当社比アダルティーかもしれません。煩悩まみれの内容で上げるかどうか悩むレベルの書き散らしですが、今なら除夜の鐘の音に搔き消えるかなと駆け込みで年末に上げました。お許しください…【後日談】


    「やめ……フェンリッヒ……!」

    閣下との「戯れ」はようやくキスからもう一歩踏み込んだ。

    「腰が揺れていますよ、閣下」
    「そんなことな……いっ」
    胸の頂きを優しく爪で弾いてやると、我慢するような悩ましげな吐息でシーツが握りしめられる。与えられる快感から逃れようと身を捩る姿はいじらしく、つい加虐心が湧き上がってしまう。

    主人と従者。ただそれだけであったはずの俺たちが、少しずつほつれ、結ばれる先を探して今、ベッドの上にいる。地獄に蜘蛛の糸が垂れる、そんな奇跡は起こり得るのだ。
    俺がどれだけこの時を待ち望んでいたことか。恐れながら、閣下、目の前に垂れたこの細糸、掴ませていただきます。

    「閣下は服の上から、がお好きですよね。着ている方がいけない感じがしますか?それとも擦れ方が良いのでしょうか」
    衣服の上から触れると肌と衣服の摩擦が響くらしい。これまで幾度か軽く触れ合ってきたが素肌に直接、よりも着衣のまま身体に触れる方が反応が良い。胸の杭だけはじかに指でなぞって触れて、恍惚に浸る。

    いつも気丈に振る舞うこの人が夜の帳に腰を揺らして快感を逃がそうとしている。その姿はあまりに 2129

    last_of_QED

    MOURNING世の中に執事閣下 フェンヴァル ディスガイアの二次創作が増えて欲しい。できればえっちなやつが増えて欲しい。よろしくお願いします。【それは躾か嗜みか】



    この飢えはなんだ、渇きはなんだ。
    どんな魔神を倒しても、どんな報酬を手にしても、何かが足りない。長らくそんな風に感じてきた。
    傭兵として魔界全土を彷徨ったのは、この途方も無い飢餓感を埋めてくれる何かを無意識に捜し求めていたためかもしれないと、今となっては思う。

    そんな記憶の残滓を振り払って、柔い肉に歯を立てる。食い千切って胃に収めることはなくとも、不思議と腹が膨れて行く。飲み込んだ訳でもないのに、聞こえる水音がこの喉を潤して行く。

    あの頃とは違う、確かに満たされて行く感覚にこれは現実だろうかと重い瞼を上げる。そこには俺に組み敷かれるあられもない姿の主人がいて、何処か安堵する。ああ、これは夢泡沫ではなかったと、その存在を確かめるように重ねた手を強く結んだ。

    「も……駄目だフェンリッヒ、おかしく、なる……」
    「ええ、おかしくなってください、閣下」

    甘く囁く低音に、ビクンと跳ねて主人は精を吐き出した。肩で息をするその人の唇は乾いている。乾きを舌で舐めてやり、そのまま噛み付くように唇を重ねた。
    吐精したばかりの下半身に再び指を這わせると、ただそれだけで熱っぽ 4007

    last_of_QED

    DOODLEディスガイア4に今更ハマりました。フェンリッヒとヴァルバトーゼ閣下(フェンヴァル?執事閣下?界隈ではどう呼称しているのでしょうか)に気持ちが爆発したため、書き散らしました。【悪魔に愛はあるのか】


    口の中、歯の一本一本を舌でなぞる。舌と舌とを絡ませ、音を立てて吸ってやる。主人を、犯している?まさか。丁寧に、陶器に触れるようぬるり舌を這わせてゆく。舌先が鋭い犬歯にあたり、吸血鬼たる証に触れたようにも思えたが、この牙が人間の血を吸うことはもうないのだろう。その悲しいまでに頑なな意思が自分には変えようのないものだと思うと、歯痒く、虚しかった。

    律儀に瞼を閉じ口付けを受け入れているのは、我が主人、ヴァルバトーゼ様。暴君の名を魔界中に轟かせたそのお方だ。400年前の出来事をきっかけに魔力を失い姿形は少々退行してしまわれたが、誇り高い魂はあの頃のまま、その胸の杭のうちに秘められている。
    そんな主人と、執事として忠誠を誓った俺はいつからか、就寝前に「戯れ」るようになっていた。
    最初は眠る前の挨拶と称して手の甲に口付けを落とす程度のものであったはずだが、なし崩し的に唇と唇が触れ合うところまで漕ぎ着けた。そこまでは、我ながら惚れ惚れするほどのスピード感だったのだが。
    ……その「戯れ」がかれこれ幾月進展しないことには苦笑する他ない。月光の牙とまで呼ばれたこの俺が一体何を 3613

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    どんな魔神を倒しても、どんな報酬を手にしても、何かが足りない。長らくそんな風に感じてきた。
    傭兵として魔界全土を彷徨ったのは、この途方も無い飢餓感を埋めてくれる何かを無意識に捜し求めていたためかもしれないと、今となっては思う。

    そんな記憶の残滓を振り払って、柔い肉に歯を立てる。食い千切って胃に収めることはなくとも、不思議と腹が膨れて行く。飲み込んだ訳でもないのに、聞こえる水音がこの喉を潤して行く。

    あの頃とは違う、確かに満たされて行く感覚にこれは現実だろうかと重い瞼を上げる。そこには俺に組み敷かれるあられもない姿の主人がいて、何処か安堵する。ああ、これは夢泡沫ではなかったと、その存在を確かめるように重ねた手を強く結んだ。

    「も……駄目だフェンリッヒ、おかしく、なる……」
    「ええ、おかしくなってください、閣下」

    甘く囁く低音に、ビクンと跳ねて主人は精を吐き出した。肩で息をするその人の唇は乾いている。乾きを舌で舐めてやり、そのまま噛み付くように唇を重ねた。
    吐精したばかりの下半身に再び指を這わせると、ただそれだけで熱っぽ 4007

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    DONER18 執事閣下🐺🦇「うっかり相手の名前を間違えてお仕置きプレイされる主従ください🐺🦇」という有難いご命令に恐れ多くもお応えしました。謹んでお詫び申し上げます。後日談はこちら→ https://poipiku.com/1651141/5571351.html
    呼んで、俺の名を【呼んで、俺の名を】



     抱き抱えた主人を起こさぬよう、寝床の棺へとそっと降ろしてやる。その身はやはり成人男性としては異常に軽く、精神的にこたえるものがある。
     深夜の地獄はしんと暗く、冷たい。人間共の思い描く地獄そのものを思わせるほど熱気に溢れ、皮膚が爛れてしまうような日中の灼熱とは打って変わって、夜は凍えるような寒さが襲う。悪魔であれ、地獄の夜は心細い。此処は一人寝には寒過ぎる。

     棺桶の中で寝息を立てるのは、我が主ヴァルバトーゼ様。俺が仕えるのは唯一、このお方だけ。それを心に決めた美しい満月の夜からつゆも変わらず、いつ何時も付き従った。
     あれから、早四百年が経とうとしている。その間、語り切れぬほどの出来事が俺たちには降り注いだが、こうして何とか魔界の片隅で生きながらえている。生きてさえいれば、幾らでも挽回の余地はある。俺と主は、その時を既に見据えていた。堕落し切った政腐を乗っ取ってやろうというのだ。
    2926