日々の変化は、突然嵐のように訪れる。
でもそれは、きっと自分の意思だと、僕は思う。
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この時間、この道、いつから気持ちが浮つくようになったか。
各部族の竜の定期診察。…まぁ簡単に言って一日がかりになるんだが。
ある日そこにいた。
美味そうに、幸せそうに、一人で。
葉の影と陽の光の間でゆれるあいつが、とても心を暖かくした。
それから少し、その時間にお邪魔して暖かさを分けてもらうことにした。…仕事中には贅沢な休憩時間だった。
俺はそれが好きだった。…好きだった。この関係が壊れてしまわないように、気をつけながら。
遠目から、紫色が木陰に見える。…心なしか足早になってしまう。こんなに疲れているのに。
でも、その日は違った。いつもと違う。木に寄りかかり項垂れている。いつもなら、こっちを向いて笑顔を向けてくれるのに。
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