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    yuinakdmt

    創作BLだったり、二次の推しカプだったり。雑多倉庫。

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    我が家の吸血鬼紅千のまとめ。
    短編のつめあわせです。
    短編1話と2話
    (2話目のおまけが長くて若干えっち匂わせあります。注意してね。)

    『前世軸』吸血鬼紅郎×人間千秋
    ○ほぼ不死の吸血鬼紅郎と人間千秋で同棲してる。
    〇若干強気なチアキがいます。

    ##紅千

    吸血鬼紅千の短編2編詰め。『現代軸』吸血鬼紅郎×人間チアキ

    ○ほぼ不死の吸血鬼紅郎と人間チアキで同棲してる。
    〇前世で恋人だった吸血鬼紅郎と人間チアキ
    ○千秋に前世の記憶は無い。


    紫煙と戯れ
    (紅の喫煙描写があります。)



     薄闇の中で、橙が灯った。
     微かに紙の燃える音を添えてそれは光を増す。それから弱まり光はゆっくり物陰に隠れてしまった。燻した木屑の匂いが濃ゆくなりその発生源である彼の唇に触れる。
     自分の寝起きの温い指先と彼の冷たい唇の温度差に眠気が霧散していく。ふにと感触を堪能すれば笑ったのか吐息が指先から感じられた。
    「これじゃあ続きは吸えないな」
     そう笑ってパクリと指を咥えられてしまった。
     冷たい唇の咥内は温かく、その中でも一際熱くて柔いそれを興味本位で奥に押し込めばグェと噦いた声がして今度は俺が笑ってしまった。
     




    (何でもない日)
    吸血鬼紅×前世の人間チアキ



     
     臙脂の壁に貼り付けてあるホコリの被ったカレンダー。
     このでかい屋敷の中で俺が行き来を許されている数少ない部屋の一つがこの暖炉がある間。それはそこに飾られていた。何故今まで気づかなかったのかと不思議に思い軽く指で払うと俺が産まれるより随分も前の年月のそれは薄くなにか書いてあるようにも見える。しかし色褪せた紙とインクで綴られた文は最早シミにしか見えなかった。
     目を凝らして覗き込もうとしたが俺の後方から伸びた逞しい腕と男らしい筋張った掌がそれを勢いよく覆った。壁を殴りつける音が部屋中に鳴り若干軋む壁の音。それに加え古ぼけたカレンダーを粗雑に扱ったがためにホコリが辺りを舞い、2人共々間抜けで大きなクシャミをした。

     後頭部に降りかかった唾の感覚に振り返えると俺に負けないくらい不機嫌な吸血鬼がこちらを見ている。
     見られたくないものだったのかと聞けば、一拍おいて今度は顔面にくしゃみをされた。憤慨しようにも相手のむずついた顔を見たら毒気が抜けてしまい今日と明日で部屋の掃除するかと提案すれば頷いてから、今度は顔を逸らしてまた噴射していた。
     とりあえず一緒に風呂でも入ろうとそのホコリれまみれの腕をとった。

     いつか、その口から聞かせてくれ。お前の記念日の話を。




    (おまけのイチャつく紅千)



    「ったく、目敏いやつだな…」
     明け方前の少し冷える居間の暖炉に火が揺らめく。パチパチと薪が燃える様を見ながら回収したカレンダーを放り込んだ。そこに存在してることすら忘れていた過去の産物。
     『何でもない、いつもの日』だったはずのあの日。
     文字通り<悪魔>に魂も身体もくれてやった。人を棄て生まれ変わったあの日を忘れるなんで出来やしない。
     望んだこととはいえあまり思い出したくもないことではあるのに人の名残で残してしまった俺の生誕日。咄嗟に隠そうとしたが不審極まりない動きだっただろう。
     誤魔化すように共に風呂に入ったが始終チアキは不機嫌で手を焼き、狡いとは思うが入浴中の性交に持ち込んだ。最中の彼に吸血行為を承諾させるまでは良かったが、そのまま気をやらせてしまい急いでベッドに寝かせてきた。吸血しながらの性交はなかなか唆るものがある。言うなればロマンと言うやつだが今回はそんなロマンもへったくれもない手段で使ってしまった。
     次は少しぐらい楽しみたい。誤魔化す行為ではなくそれこそ、蕩けるチアキを愛でて甘やかすような。

    「すけべな顔をしてるぞ」
     つん、と頬をつつかれ思わず見るとシーツに身を包んだチアキが佇んでいた。意地悪そうな少し哀れみの目をしている。
    「あんなに激しくしたのに添い寝もしてくれないのか?」
    「っ…起きて平気なのか」
    「腰は痛いし少し貧血ぎみだけどな?居ないお前を探してたら、暖炉を眺めてニヤついているから今度はどんなことされるのかと震えてしまったぞ?」
     こわいこわいと言っておきながらソファに座る俺の上にドカリと居座ってくるこの強かさ。剥き出しの真白い足は横に伸ばしてソファのクッションを蹴る。このまま床に転がしてやろうかと思ってしまうが惚れた弱みと無体を働いた負い目もあり軽く抱きしめてやる。
     ふふと笑う彼は前で握っていたシーツを解いて、俺の顔や頭を撫で回す。するりと肩から落ちたシーツと顕になる素肌に喉が鳴った。
     ズボン越しに擦れる彼の柔い尻の感触は何も身につけてないことが分かってしまい、思わず固まってしまう。
    「すけべな顔していたから、したいのかと思ったが違ったか?」
     首に腕を回して擦り寄るチアキは首を傾げた。少し湿り気のある髪が揺れる。甘い誘い。そもそも吸血鬼の方が人間を誑かして誘惑するというのに、こいつは俺をその気にさせるのが上手くなってしまった。
     数刻前までの性交の激しさと貧血を考えると手を出すわけにはいかないのは明白だ。なのに俺が黙り込んでる間にも緩く腰を擦り充ててくる。さながらむず痒いマッサージでも受けている気分になる。
    「っ…流石にもうしねぇよ…そんな一気にしてぇわけじゃねぇ」
    「そうなのか?こっちは割と元気に見えるんだがな?」
     残念だというように、擦り寄せた腰を浮かせて離れようとするので咄嗟に抱き寄せてしまう。それに悪戯が成功したような笑みを浮かべて俺の頬にキスをくれる。
    「溜め込むのは毒だってお前が言ったんだ。優しくしてくれるならあと一回は出来るぞ?」
     言い淀む俺に、あと一押しと言うように首に絡めてた腕を下ろして、つつっと指を自らの腹部をなぞりつぶやいた。
    「今日血を吸ったあと、中に出さなかっただろ?だから、」
     奥がお前を求めて疼くんだ。
     そんな台詞を言われてしまってはもう完敗だ。
     それに恥ずかしげに目を軽く伏せ赤くなる頬と耳。煽情的な表情にたまらず唇を寄せた。
     接吻の最中に嬉しそうに優しく抱き返して来る体温に目を伏せれば、己の為した事を忘れるなと言うように燃える薪の音が響く。それが今は煩わしく指鳴らせば煌々と燃えるそれは一瞬で鎮火した。それにチアキは暗いなと笑い、目は俺だけを写して愛おしげに細められる。
     そんな慈愛にも似た表情を浮かべた彼を欲に溺れさせて俺の手で乱れさせると思うと興奮で息が零れた。そして、それすらも彼に吸われた。

    朝日が昇るまであと2時間。
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