Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ♡♡♡

    @imaushironiiru

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 3

    ♡♡♡

    ☆quiet follow

    【駆け込み押し問答】
    原作206話軸 健全なム三
    付き合うまでが面倒臭い三途春千夜と年相応に待てができない武藤泰宏の話。

    【駆け込み押し問答】「武藤さんって、普段何で抜いてるんですか?」
     我が物顔で武藤の家へと上がり込み、勝手にくつろいで煙草をふかしていたスカーフェイスがおもむろに口を開く。
     マイキーに忠実すぎるあまり、他の人間に牙ばかり剥く獰猛な野良犬。もとい、三途春千夜はさして興味がないさまを装って、家主である武藤に尋ねた。雑談をするにしても、話題選びとしては最悪なチョイスだった。それもそのはずである。
    「……三途」
    「はい」
    「俺は、お前に告白したよな……?」
    「はい。ちょうど一週間前になんか急に、俺を好きだとか言ってましたね」
    「それに対しての返事をまだ貰ってないんだが」
    「そんなことより、俺の質問に答えるのが先でお願いします。武藤さん、オナニーする時のオカズはなんですか?」
     パイプベッドの側面を背もたれに、剥き出しのフローリングの上で膝を抱えた三途の姿には妙な幼さが滲む。
     華奢だが男らしく節くれた指先で挟んだ煙草と、いとけない雰囲気の対比はいたく倒錯的だった。
     ベッドの上で胡座をかいた武藤を、こてんと小首を傾げ、上目遣いで見上げる。無邪気そうに見せた、作為的な仕草。
     己の容姿が他者より幾分も整っていることをきちんと把握している。尚且つ、時として、それが有効な武器になると正しく理解した三途の小賢しさに、ほんの少しだけ腹が立った。
    「お前な。そりゃ、道理が通らねぇだろ」
    「道理って、武藤さん……。そんなヤクザみたいなこと、よく言えますね。俺のこと、好き、なんですよね?」
     もしかして釣った魚に餌をやらないタイプですか。とは、どの口が言うのだか。自分自身の行いを随分と棚に上げた、ふざけた押し問答だった。
     これで人のことを馬鹿にした態度であれば、その小綺麗な面を容赦なくぶん殴っているところだ。しかし、冗談めかして問い掛ける三途の瞳は、ゆらゆらと不安定に揺れていた。それがはっきりと見て取れてしまい、なんとも言えない気持ちになった。コイツは一体何を不安がっているのだろうか。
     冷たい床へと直置きしたアルミの灰皿に煙草を押し付け、三途が武藤の膝に乗り上げる。代わりに、広げていたバイク雑誌が三途の背後へ放り投げられた。フローリングに為す術なく落下し、紙がひしゃげる音が室内に鈍く響く。意図せず対面座位の体勢となった。けれど、ふたりの間にはもういっそ悲しくなるほどに色っぽい雰囲気が発生しない。
    「武藤さんの、オナニーの、オカズは、なんですか?」
     わざわざ言葉を区切って、再度尋ねられる。武藤が口に出して答えるまでは、このやりとりが終わることもなければ、一週間もお預けされている告白の返事もどうやらされないらしい。
     仕方が無くなり、内心でため息を吐いた。半分は面倒臭さ、もう半分はやるせなさで構成されたため息だった。
     ぐずる子どもをあやすように、三途の背中を上から下へと片手を使い、服越しに撫で上げる。もう片方の空いた手で薄っぺらい腰を抱く。途端、腕の中で一度だけ大きく身体がビクッと震えた。それを恥じるように三途は下唇を噛み締めて、武藤を睨み付ける。
     自分から触れるのはそこまで抵抗がないようだが、人に触れられると身体を竦ませ、その都度あからさまに拒絶反応を見せる。愛情よりも暴力に慣れ親しんでいる身体だった。他人の悪意に敏感な分、他者から向けられる好意に鈍感で、疑い深い三途の不器用さが、ひどく憐れであり……いたく愛おしいと思っている。
    「もうずっとお前で抜いてるが……悪かったか」
     正直なところ軽蔑されるかもしれないが、綺麗事だけを並べた恋人ごっこをするつもりは毛頭なかった。
     腹を括って白状すれば、薄々は察していただろうに三途が息をのんだ。首にまわされていた両手、その指先が持ち主の動揺を顕著に表して、武藤の頸をイタズラにくすぐる。こそばゆくなり、頭を左右に振ると両頬を持たれ、じぃ、と顔を覗き込まれた。
    「俺はアンタの性的対象に入ってるんですね?」
    「ああ」
    「俺と、セックスしたい?」
    「ヤリたいから付き合うんじゃねぇぞ」
    「俺と付き合ったら、ヤリたいと思ってます?」
    「お前がよければな」
    「それじゃあ、もしセックス出来なかったとしても……それでも、俺がいいんですか」
    「面倒くせぇところも全部ひっくるめて、お前がいい」
    「……そうですか。……面倒臭いなんて、なかなかひどい言い方をしますね」
    「そういうお前の方こそ、どうなんだ? 俺とどうなりたいのか、結論は出たのか」
    「結論って、何かの問題じゃあるまいし。……そうですね。俺も、武藤さんなら……いいですよ」
     剣呑に寄せていた眉を、へにゃりとゆるめた三途が武藤に言った。照れ隠しをするかのように、武藤の唇に自らキスを落とす。そうっと恐る恐る触れて、唇の柔らかさを確かめる。濡れた舌先で唇のかたちをなぞられた。そのまま軽いリップ音を立てて、離れていこうとする三途を追うように、今度は武藤が唇を食んだ。
     目を見開いて驚愕し、わずかに出来た隙を見逃さず、口内に舌を侵入させた。縮こまった舌を絡め取れば、腕の中に囲った身体がカチコチに硬直する。三途の初心な反応に押さえ込んでいる欲が簡単に鎌首をもたげそうになった。意識を逸らすために、三途の口内を責めることに集中した。上顎をくすぐると大袈裟なほど、身体を震わせる様子が面白い。
     ゔー、ゔー、と言葉にならない声で三途が抗議する。まったく力の入っていない拳が武藤の胸を叩く。
    「ぷはっ、はぁ、は、武藤さん、しつこい」
    「先に仕掛けてきたのはお前だろう」
    「そうでしたけど……」
    「ところで、さっきのは告白の返事として、俺は受け取っていいんだよな?」
    「……はい。俺のこと、ヤリ捨てたらアンタは殺します」
    「ははっ。そりゃあ、いいな」

    □□□

    付き合うまでが面倒臭い三だけど、付き合った途端にめちゃくちゃデレてセッに積極的になってムを驚かせてほしい…
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💯💕💗💘☺💘☺☺💖💯🍑🙏👏💴💒💒💒💖💞💕☺😍🙏💞👍💯🙏🙏💖💖💖💴💴💴👏👏💯🍑💒😍💖💒💘💞😭☺🙏😭💘😚☺💞🍒😍😚😘🍑💘👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator