As you wish. 2「たまには、庶民的な店に行ってみるのはどうですか?」
そう言った尾形に喜んだのは勇作で、ぜひとも行ってみたいですと意気込んで返事をした。
「私も連れて行ってくれるんだろうな?」
まさか置いていかれはしないだろうとは思ったが、一応聞いておくべきだと思って、音之進は問い掛ける。
「この二人と俺だけで行くわけないだろうが」
尾形はため息交じりに答え、音之進はそれならいいと大きく頷く。
「どんなお店なんですか?」
勇作はいつになく興奮した様子で、音くんは行ったことがありますか、と尋ねる。
「小さな店なので、ちょっと入れるか聞いてみます」
尾形がスマホを手にしたのを見て、着替えなくてはいけませんね、と平之丞と勇作が立ち上がる。
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